法句選

法句選 #31(自己確立)

『自己確立』 何ものからも支配されず 何ものからも脅かされず 自己確立する事は難しい 人は社会的動物と言われるが それは社会に従属する事でも ただ流されてゆく事でもない 自己の確立を目指すのであれば 己を己たらしめる真理を学んで 己を整えてゆくより…

法句選 #30(慈悲友愛)

『慈悲友愛』 例え僅かでも慈悲友愛の心が 自ずとその人にあるとすれば 自我欲に燃え盛ることはない 例え僅かでも法を求める心が その人に備わっているならば ブッダの教えにご縁が出来る 例え僅かでも静かな安楽の心が その人を満たすようになれば 周りに光…

法句選 #29(法の施し)

『法の施し』 何かの神秘でも運命でもなく 総ては相関縁起して変化する この理法ダンマは真実である この理法は釈尊によって施され 何びとでも会得する事が出来る 何にもました法味法楽の境地だ この理法は仏教者によって施され 人々の間に広められるべきも…

釈尊が説く法句経

「釈尊が説く法句経」 第一章 対句 ものみな心を先導とし、心を最上とし、心よりなる。けが れたる心にてもの言いかつ行うなれば、ひく牛の足に車輪が 従ごうがごとく、苦しみが従いきたるなり。一 ものみな心を先導とし、心を最上とし、心よりなる。清き 心…

法句選 #28(解脱)

『解脱』 過去現在未来に左右されず 自分自身の在りように徹する そこに理想彼岸への到達がある 理性的感情的な苦悩から解脱し 自分本位な幸福欲楽から解脱し 真実実現への生き方に徹する 苦楽相対の繰り返しの生存から 真実絶対の世界に生かされてゆく それ…

法句選 #27(修道と正導)

『修道と正導』 実行の道として八聖道 真理解明として四聖諦 心情到達として離執着 理性の迷いを解脱して 感情の迷いを解脱して 眼ある者こそ最上の人 仏教者として日々を生きる 修道と正導を両輪の如くに 真実世界の広まりを期して 道の中にては八聖道、真…

法句選 #26(より良き生き方)

『より良き生き方』 生き方の基準を持たねば 恥じる心も出てはこない 人の美しさも出てこない 他への思いやりを持ち 謙虚さと清らかさを持ち しかも真実と知恵を持つ 厚かましさと自分中心を離れ より良き生き方を求めるなら 生きがたい思いもするという 恥…

法句選 #25(聖典学習)

『聖典学習』 読み唱えざるは聖典のけがれ いかに優れたお経や教えでも 学習されねば無きに等しくなる 仕事や生活また宗教においても それを勤勉に行うのでなければ その人の実りになることはない 信じて次第に理解を深め実行する それらが真理を中心にする…

法句選 #24(褒めそしり)

『褒めそしり』 世間一般は何を高く評価するか 時代の流行によって評価は変わる 人は褒めたりそしったりもする 世間を超える真の仏教であれば 世間の評価を期待してはならない 期待はしばしば迎合になるからだ 世間の期待や評価にかかわらず おのずから行わ…

法句選 #23(究極の安らぎ)

『究極の安らぎ』 健康であれば第一の利益だが 健康なるが故に慢心も生じる 健康だけの人生でも意味がない 満足し得るならば豊かだが とかく果てしない欲を持って 人生そのものを考えはしない 心から信頼するものがあるか ニバ-ナを学習する事があるか そこ…

法句選 #22(楽しきかな仏縁)

『楽しきかな仏縁』 ブッダ釈尊に出会える楽しさ ダンマ正法を聞き得る楽しさ サンガ仲間の和合する楽しさ 三宝によって生き方を導かれ 釈尊仏教の仲間の一人になり 信仰と修道をしてゆく楽しさ 世の中がどの様に変転しても 自己を自己たらしめてゆく道 その…

法句選 #21(真髄の四聖諦)

『真髄の四聖諦』 ただ信じるただ行じると言うのでは 自己の在り方の根拠が明確ではない 自ずからというのでは自己流になる ブッダとダンマとサンガの三宝こそ 学び知り尊敬し信頼するものである この一宝が欠けても仏教にならない 釈尊仏教の帰依信仰が進む…

法句選 #20(心の浄め)

『心の浄め』 人は善だけでも悪だけでもない 善の装いをした悪すらもある 悪の中に善の芽生えすらある 善も悪も道徳的な次元もあり 踏み込んだ宗教的次元もある 学ばねば知り難く行いがたい 宗教的にまで高めた善において その心は聖なる浄らかさになり み仏…

法句選 #19(四大難事)

『四大難事』 自分の意志でもなく生まれる これはお与えというより外ない しかも学ぶまでに成長するとは あれこれ人生の意義を求めるが 仏教の真理正法にご縁が出来る これはよくよくの事に違いない 真理正法による自己統一の ブッダ釈尊が世に出現する これ…

法句選 #18(聞法の縁)

『聞法の縁』 人間のすじ道真実を聞く それは余程のご縁であろう ましてや釈尊の仏教ともなれば 一切は縁生縁滅するとの理法は 人間本位の勝手なもので無いが 人間苦悩を滅する理法でもある この理法を聞き知るのでなければ 己の知恵を全うする事は出来ない …

法句選 #17(明かりを求める)

『明かりを求める』 現在がいかに幸福であろうと それが永続する確かさはない 砂上楼閣のようなものだから いかにも幸福そうであろうと それが本物と言えるかどうか 何を根拠にしているだろうか どの様な事態でもグラつかない 輝きに満ちた幸福を求めてゆく …

法句選 #16(知恵と実行)

『知恵と実行』 信仰のない仏教論は宗教でない 自己変革がなければ宗教でない 変革行動がなければ宗教でない 釈尊仏教は修道生活の宗教である 修道は信仰を元にした学習である 修道は真理の体験と生活化である 仏教者の生活とは宗教本位である 体得された知…

法句選 #15(天国地獄を越えて)

『天国地獄を越えて』 人間として生まれてきた事 それをどれ程喜ぶものだろうか 多くの人は何かを得た時に喜ぶ 常に悪を行えば死後は地獄 常に善を行えば死後は天国 それはまだ輪廻の世界である 生まれてきた事を価値あらしめる 釈尊はそうした生き方を示さ…

法句選 #14 (希望の人生)

『希望の人生』 善や浄福は誰でも望むものである だがそれらは単なる幸運ではない 自分が積み重ねた事の結果である 善い種をまけば善い報いがある この理法の確かさを基本にする そこに希望に満ちた人生がある 善や浄福への希望一杯で生きるか 不安や焦りで…

法句選 #13(死にあらざるの道)

『死にあらざるの道』 死んでゆく道を人は歩み続ける 死にあらざるの道が一方にある いつかはどちらかを選ぶ時がくる はたして死ぬのでない道があるのか そんな道があれば求めるだろうか 心を静めてまずは聞いてみる 釈尊は四十五年も説いて回られた 自らを…

法句選 #12(旅を終える)

『旅を終える』 人生はよく旅に譬えられるが 喜怒哀楽幸せを求めてのものだ 多くの旅は果てしなく続けられる 苦楽相対の旅を終えるには それなりに自ら求めねばならない 一切の束縛を越えた世界をばだ 山坂を越えれば新天地がある 真実に生きぬいてゆく自由…

法句選 #11(仏教特質)

『仏教特質』 法ダンマを尊び 喜ぶ そこに仏教者の中心がある 単なる救いでない特質がある 法ダンマは一切に普遍する そこに生きてゆく根拠がある 人間を目覚めさせる特質がある 法ダンマは浄福をもたらす そこに仏教者の帰依がある 生き方を真実にする特質…

法句選 #10(難しさに生きる)

『難しさに生きる』 他を戒めることの難しさ その都度己を顧みるからだ 己への厳しさが必要だからだ 他を導くことの難しさ 人間の在り方を意味するからだ まことの親愛さが必要だからだ 邪悪から遠ざかる難しさ 人間には弱さ醜さがあるからだ 正善聖への怠り…

法句選 #9(礼拝奉仕)

『礼拝奉仕』 一点の曇りもない心 誠実そのものの様な心 それらは美しい心に違いない どの様に熱心に神仏を礼拝し どの様に真心で奉仕をしても 真理を伺い知る事は出来ない 天地自然人間に一貫する真理 それを学び取るのでなければ 心底の礼拝奉仕にはならな…

法句選 #8(仏教的弁え)

『仏教的弁え』 俗利幸福は誰でも求めるものだ だがそれは最高のものではない その弁えを持つのが宗教心である ニバ-ナ解脱は聖なる境地だ だが誰でもが求めるものではない その道にあれば真の仏教者である 俗利幸福の上に悟りがあると 二兎を追うものは一…

法句選 #7(スープの味)

『ス-プの味』 死後などは分かるものかと 好き勝手な生き方をする人は 仏教の味を知らない人である 死後を安楽にと願うのみで 何ら真理を学ばない人は 仏教の味を知らない人である 現在の報い死後の報いを知り 真理中心の行動をする人こそ 真に仏教の味を知…

法句選 #6(眠らざる者)

『眠らざる者』 怨み憎しみは時に怒りとなる これらの心こそ最大の苦しみ 何かの縁で激しく燃え上がる これらの心は誰にでもある 古い家に住む蛇のようにだ 自分を表面で見てはいけない 蛇を追い出してから眠れと その昔釈尊は教えておられる 怨みを捨てるの…

法句選 #5(目的と実行)

『目的と実行』 夢も希望も持たないで生きる 何かの目的を持って生きる 生きる以上はこのどちらかだ 自己の上に体験出来るもの それが目的であり結果である 実行すれば確かな必然となる 浄福や価値充実を求めるなら 選択された目的を常に掲げ 実行意欲を高め…

法句選 #4(実現的宗教)

『実現的宗教』 己の案内役は己の心である 心が決まらねば行く先不明 筋道認識も状況認識も必要 発言と行動は実際である 脳内決定と行動は連動する この実際がなければ結果はない 観念的信仰から実現的宗教へ 釈尊仏教は本質的な転換である 完全なる自己実現…

法句選 #3(この世あの世)

『この世あの世』 現代人は死んだらしまいと思うが 現世になした事の結果が死後となる 現在が原因ならば未来の結果もある 未来も善かれと願う心があって 現在を慎み精進する心があるから 仏教者としての真の生き方になる 現在だけでもの事を考える風潮は 死…