法句選 #6(眠らざる者)

    『眠らざる者』       
怨み憎しみは時に怒りとなる
これらの心こそ最大の苦しみ 
何かの縁で激しく燃え上がる
 これらの心は誰にでもある
 古い家に住む蛇のようにだ
 自分を表面で見てはいけない
蛇を追い出してから眠れと
その昔釈尊は教えておられる
怨みを捨てるのは難しいからだ

眠らざる者に夜は長く、疲れたる者に五里の道は遠し。真理を知らざる愚かなる者に輪廻の苦は長し。

[眠らざる者] 怨めば怨み返す、はてしなくキリがない。共に苦しみ、心が静まる時はない。何故人は怨んだり憎んだりするのだろうか。それは自分にそうした心があるからだ。それが無ければそうした心が現れる筈が無い。
 
  『自己理解の難しさは自己の深層理解だからだ』
 自分はダメだと常に思うのも自分を苦しめる事になるが、怨んだり憎んだりして苦しむのは、常に自分が正しいと思う事による。相手を理解すると同時に自己理解する事で、適切な対策も立ち、果てしのない苦しみを止められる。