法句選 #8(仏教的弁え)

    『仏教的弁え』      
俗利幸福は誰でも求めるものだ
だがそれは最高のものではない
その弁えを持つのが宗教心である
 ニバ-ナ解脱は聖なる境地だ
 だが誰でもが求めるものではない
 その道にあれば真の仏教者である
俗利幸福の上に悟りがあると
二兎を追うものは一兎も得ず
その弁えの上に真の仏教がある

一つは俗利への道、一つはニバ-ナへの道、かくみ仏けの弟子たるビクは明らかに知り、俗利の尊敬を喜ばず、遠ざかりを増大せしむべし。

[仏教的弁え] 現世利益や奇跡をもって宗教と思う人が多い。それは信仰の一種ではあるが宗教とは言えない。宗教とは最も大切な教え、人間としての存在価値を実現する、理性と感情を満たす目的と方法を含むものである。

     『幸福感の限界から宗教が始まる』
 余裕が出来たら宗教の話も聞くとする人が多い。それが豊かな心と思うのであろうか。宗教は人間の本質や存在価値の問題であるから経済的次元と全く違う。その事を教えるのが宗教の第一歩。一般が受け入れ難いとする理由である。