法句選 #28(解脱)

    『解脱』       
過去現在未来に左右されず
自分自身の在りように徹する
そこに理想彼岸への到達がある
 理性的感情的な苦悩から解脱し
 自分本位な幸福欲楽から解脱し
 真実実現への生き方に徹する
苦楽相対の繰り返しの生存から
真実絶対の世界に生かされてゆく
それはまさに生死を越える世界だ

   過去をはなれよ、未来をはなれよ、現在をはなれよ、これ生存の彼岸にいたるもの。こころ一切の所に解脱 せば、おんみはふたたび生と老とにゆかざらん。

[解脱] 多くの人は物に豊かになり、生きる事の意味が分からない事の苦悩を知らない。欲楽の満足幸福がいかに相対的で、真の価値ある人生ではないと啓蒙する事から釈尊の宗教、三宝仏教が始まる。無意味な生への警鐘である。

    『豊かさを超える所に真の宗教がある』
 真理真実の世界は絶対であり、その方向に在る時、人は相対を越えた大いなる喜びを味あう。人間の存在価値の自覚と言えよう。それは価値嵐とでも形容する様な一大変革である。原始仏教とは仏教の原始の灯をともすものだ。


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