法句選 #12(旅を終える)

    『旅を終える』    
人生はよく旅に譬えられるが
喜怒哀楽幸せを求めてのものだ
多くの旅は果てしなく続けられる
 苦楽相対の旅を終えるには
 それなりに自ら求めねばならない
 一切の束縛を越えた世界をばだ
山坂を越えれば新天地がある
真実に生きぬいてゆく自由境
観念抽象でない真実の具現境

旅を終え、悲しみをはなれ、すべてに自由となり、一切の束縛を解きたる人に悩みなし。

[旅を終える] 文学的に自分の外なる話として苦楽相対のものは面白いが、一度自分の身の上の事となれば、旅に例えたりなどしてはおれない。深い苦悩は時として心をえぐり取るほどのものだ。早く終わらせねばならない。

   『宗教界は世俗界に警鐘を鳴らす義務がある』
 一般には幸福と安らぎを同じものと考えるが、幸福は世俗的であり安らぎは宗教的である。日本にはこの宗教環境が希薄なためにこの違いが分かりにくい。なにしろ宗教界そのものがあまりにも世俗化形骸化しているからである。


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