原始仏教講座

原始仏教講座(全六講)第一講 その五

第一講 その五 教・行・証、所が日本ではこれがばらばらになっている。システマチックになっていない。いきなり「ただ黙って座れ」「お任せ」という話になり易い。偉い管長さんがお話なさると「黙って座ればぴたりと当る」というのがありますが、あの式なん…

原始仏教講座(全六講)第一講 その四

第一講 その四 ただ教えだけではうまくいかない。学校教育が今いろいろ問題になるのは、教えるのはどんどん教える。文部省の指導要領で、一年生はこれ、二年生はこれ、と予定全部決まっている。40人とかの生徒の学力の差とか、集中力の差とか、親の環境と…

原始仏教講座(全六講)第一講 その三

第一講 その三 それでは何を信じるか-ということですが、特にここでずっとこれから学習してゆくのは原始仏教、お釈迦様が生きておられた頃のことを主に学習していくわけです。その方面で話します。日本仏教を一々引き合いに出すと話が混乱しますので、原始…

原始仏教講座(全六講)第一講 その二

第一講 その二 縁・信・教・行・証・導・謝・施 それは仏教というものを私なりに、学習して、まとめ直したのですが、それを今から簡単に説明します。 八つの項目で仏教を捉え直すというか、まとめたということです。 縁 第一番は「縁」-縁があってまさにこ…

原始仏教講座(全六講)第一講 その一  仏教の原理

これは2年ほど前に他のブログに掲載していた、田辺聖恵師の講座を文字起こししたものです。読み直しながら転載いたします。 第一講 その一 仏教の原理 仏教の原理、すじ道ということを考えてみたい。仏教というものは何で成り立っているのか。成り立っている…

目次

原始仏教講座 目次 【1】原始仏教 【2】意味・確実・充足 【3】要点化 【4】尊敬供養 【5】予備知識 【6】信者の五法 【7】三宝 【8】互恵真理 【9】原理に即して 【10】施し与え 【11】生きるともなく 【12】欲望を欲求へ 【13】本質実行

原始仏教講座 #13(本質実行)

『本質実行』 われなす事をなし終えり この後欲望生活を望まず 釈尊仏教の自己目的がそれである 一切の苦悩は本質を知らぬ事だが 一切の本質は相関互恵する事だ 釈尊仏教はこの点に徹する事だ 己の得る所があれば他に施す 互恵し合えば本質の実行になる 釈尊…

原始仏教講座 #12(欲望を欲求へ)

『欲望を欲求へ』 人間本来無一物などと言われるが 生きようとする意欲で生まれてくる それはまさに混沌とした生命欲求だ 生長につれて欲望は肥大してくるが 経済界はこの欲望を食い物にする こうした欲望で人は自己を見失う 与えられた欲望を単に遮断するで…

原始仏教講座 #11(生きるともなく)

『生きるともなく』 われにおいて なす事なし それは自我欲望に振り回されず 殊更の生き甲斐など要しない事だ あるがまま 人間として生きる 真理の自覚と実現において生きる 人間としての価値を全的に生きる 利他は自利と徹して生きる 生にこだわらず死を恐…

原始仏教講座 #10(施し与え)

『施し与え』 求めるなら施し与えよ 金銭が必要なら金銭を 自由が必要なら自由を 施し与えたものは巡ってくる 愛情を施せば愛情が与えられる 真実を施せば真実が与えられる それは相関互恵の世界だからだ これは身近な黄金律と言えよう これこそは実験する価…

原始仏教講座 #9(原理に即して)

『原理に即して』 清き心にて行えば幸せになる ただ単に神仏を信じるのではない 行動原理に即したのが原始仏教だ 幸せを得たければ幸せを施せ 法を得たければ法を伝えよ 互恵真理に即したのが釈尊仏教だ 求めずして得たものには喜びがない 求める心を先ずは…

原始仏教講座 #8(互恵真理)

『互恵真理』 人間と自然の筋道は関係性互恵である 人間の苦悩はこの真理に暗い事である 人間の生き方は互恵真理の実現である 二千五百年前に釈尊はこの道を歩まれた 二千五百年もの間この道は不明であった 二千五百年後の今日誰がこの道を歩むか 今こそ単独…

原始仏教講座 #7(三宝)

『三宝』 ブッダとダンマとサンガは 仏教構成の要素で三宝である この上なく尊重される宝である ブッダは真理をもって導く方 ダンマは人間の在り方すじ道 サンガは信仰に生きる仲間達 この三宝は真実の存在である この事実とすじ道を信頼する それによって人…

原始仏教講座 #6(信者の五法)

『信者の五法』 信戒聞施慧は信者の五法と 釈尊は信者の在り方を教えられる それは幸福と価値を目指す生き方 幸福だけでは欲望堕落となり易い 価値だけではとかくついて行けない 希望と限界をわきまえる必要がある 縁の有り難さ尊さを感謝しつつ 真に求める…

原始仏教講座 #5(予備知識)

『予備知識』 何事においても予備知識が必要だ それは自分に対する予備知識と その事に対する予備知識である 自分はどの様で何を求めているか その事は何で成り立っているのか 自分とその事とどう結び着くのか 原始仏教はこうした発想で始まる 自分とその事…

原始仏教講座 #4(尊敬供養)

『尊敬供養』 黙々とひたすら修道生活する者が 存在し得る場がどこかに在るか その様な人を供養するだろうか 純粋精神を求める人々がいても 尊敬供養する習慣が在るだろうか 日本社会の大きな欠陥ではないか 救い救われる関係だけにおいては 自分の利益幸福…

原始仏教講座 #3(要点化)

『要点化』 機械や製品のコンパクト流行り ムダを省いて要点化してゆく それによって機能度を高める もの事を考えることの特性は 何が本当かと要点化してゆく それによって確認度を高める よりよく生きる事を求める人は 人間そのものを要点化してゆく それに…

原始仏教講座 #2(意味・確実・充足)

『意味・確実・充足』 価値的に生きる事を欲する人がいる 無意味さに耐えられない敏感な人だ 本当に打ち込めるものを求める人だ 安定して生きる事を欲する人がいる 不安や不確実に対して敏感な人だ 心の支え生きる根拠を求める人だ 生きる事の目的があれば意…

原始仏教講座 #1(原始仏教)

『原始仏教』 原始仏教の名前は知られ始めた だが中身においては知られない 受け入れ態勢が整わないからだ 古代中世の人々は死後を恐れ 怨霊など様々なたたりを恐れ 貧しさ苦しさにあえいでいた 今日ようやく自己を考え始める 生きてゆく意味や根拠を求める …