原始仏教講座 #12(欲望を欲求へ)

   『欲望を欲求へ』    
人間本来無一物などと言われるが
生きようとする意欲で生まれてくる
それはまさに混沌とした生命欲求だ
 生長につれて欲望は肥大してくるが
 経済界はこの欲望を食い物にする
 こうした欲望で人は自己を見失う
与えられた欲望を単に遮断するでなく
欲望の究極を追究するのが釈尊仏教だ
欲望を価値ある欲求に転換させてゆく

        
 [欲望を欲求へ]-美食や虚飾や支配欲などで終始すれば、肥大させられた欲望に過ぎない。それは真の生命欲求ではない。文明文化の装いを持つ過剰欲望はやがて壁にゆき当たり、価値次元における無意味さに気付かされてくる。

『生存の限界に立てば欲望は消え生命欲求になる』
 動物以上に理知性が人間に与えられているのは、無条件的な事実である。それは生命欲求の線上にあるもので、生命否定ではない。理知性はやがて価値判断・価値欲求となる。ここに人間を全うしてゆく欲求の必然コ-スがある。