原始仏教講座(全六講)第一講 その二

第一講 その二

縁・信・教・行・証・導・謝・施

それは仏教というものを私なりに、学習して、まとめ直したのですが、それを今から簡単に説明します。

八つの項目で仏教を捉え直すというか、まとめたということです。

 縁

第一番は「縁」-縁があってまさにこういう場があった。縁があったわけです。縁があるというのが物事の始まりです。縁を感じなくても感じても縁があってここにいる。縁に気がつくのと気がつかないとでは違いがある。

 

「信」-信じるということは、何かよくはっきりは、要するに理性的には、はっきり分からないけれど、分かったような気持ちになる、ということが、信じるということです。従来日本の仏教は信じるという面が非常に詳しい。信じるということを徹底させている。信によって悟る。信によって成仏するというような説き方、そういう面が多くなっている。信ということが非常に難しい話になっていると思う。ですが、もっと平たく、ここでは詳しいことに入る前の段階として、常識的に、あなたの言うことは信じるよ、はっきりは分からないが、そうかも知れない、信じるよというような意味での信。これがどうも従来の日本式仏教でははっきりしていなかった。はっきり分からないけれど信じるという意味合いでの信じる、徹底して信じるという話が強調されると、曖昧に信じるというものが、それはいけないという風になるわけでしょう。そうすると徹底して信じることが出来ない場合は、曖昧な信ではいけないとなると、徹底した信になれればいいですが、なれれば勿論いいが、なれない場合は駄目だということになる。だから非常に難しいことです。そういうのでなく、曖昧でもいい、入り口的な信、これが大事ということです。

「縁」と「信」、これが信仰の浅い者というか、入り口にある者にとっての一つの段階要素ということです。