経集(スッタニパーター)

経集 162

162 雪山夜叉曰く、「明を成具し居れるや否や、その行為清浄なりや否や、彼は諸漏を盡せるや否や、再有あることなきや否や」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十八頁) 「明らかな智慧に透徹して居られるかと雪山に住む者が…

経集 161

161 七岳夜又曰く、「彼は諸欲に染することなし、またその心混濁あるなし、一切の愚を超越し居れり、佛は諸法に対して眼を具したまふ」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十八頁) 「欲望を起こされることはないとサーター山…

経集 160

160 雪山夜叉曰く、「諸欲に染せざるや否や、その心混濁せざるや否や、愚癡を超越せるや否や、諸法に対して眼を具ふるや否や」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十七頁) 「欲望を起こされることはないかと雪山に住む者が問…

経集 159

159 七岳夜叉曰く、「彼は妄語をなすことなし、また悪口をなくし居れり、また毀傷の語を言ふことなし、彼は慧智もて勝義のみを語る」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十七頁) 「その人は嘘をつかれないかとサーター山に住…

経集 158

158 雪山夜叉曰く、「妄語をなさざるや否や、悪口をなくし居れるや否や、毀傷の語を言はざるや否や、無義の綺語を語らざるや否や」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十七頁) 「嘘はつかれないかと雪山に住む者が問ふた。を…

経集 157

157 七岳夜叉曰く、「与へられざるを取ることなし、また諸生物に対して自制あり、また放逸より遠ざかり居れり、佛は禅定を遺つることなし」(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十六頁) 「その人は与へられぬものを取られないと…

経集 156

156 雪山夜叉曰く、「与へられざるを取らざるや否や、諸生物に対して自制ありや否や、放逸より遠ざかり居れるや否や、禅定を遺つることなきや否や」(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十六頁) 「その人は与へられぬものを取ら…

経集 155

155 七岳夜叉曰く、その如き彼の意は一切有情に対し、平等に善く確立し居れり。また好悪の対象に対し、彼の思惟は、善く統制せられ居れり」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十六頁) 「その人の心は とサーター山に住む者…

経集 154

154 雪山夜叉曰く、その如き師の意は一切有情に対し、平等に善く確立し居れるや否や。また好悪の対象に対し、彼の思惟は、善く統制せられ居るや否や」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十五頁) 「その人の心は と雪山に住…

経集 153

153 七岳夜叉曰く、今日は十五日の布薩日なり、天の輝かしき夜は近づけり。いざ我等は高名ある師瞿曇に見えなん」。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 九 雪山夜叉経 五十五頁) 「今日は十五日の『浄め』の日であるとサーター山に住む者が言っ…

経集 152

152 また悪見に従ふことなく、戒を具し見を成具せる者は、諸欲に対する貪求を調伏して、決して再び母胎に入ることなし。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十四頁) 片寄った考へをすべて捨て去り、しっかりした腰の坐りで、物事の奥…

経集 151

151 立てるも行けるも坐しつゝも、臥せるも睡眠を離れ居る限りは、この慈禅の念を住立せしむべし。この仏教中にてこは慈梵住と言はる。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十四頁) 立っていても、歩いていても、坐っていても、又臥し…

経集 150

150 また一切世間に対して、無量の慈意をば応に修習すべし。上に下にまた横に、障礙なき怨恨なき敵意なき慈を修すべし。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十四頁) この世のすべてのものを、上にも下にも横にも、障りなく、友情と、…

経集 149

149 恰かも母が独り子をば守護するが如く、斯の如く一切生類に対しても、無量の慈意をば修習すべし。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十四頁) 母親が自分の子供を、一人子を、命がけでまもるように、一切の生きものを、限りなく広…

経集 148

148 互に他を欺瞞すること勿れ、何処にても何者をも軽賎せざれ。惱害によりて、瞋恚の想によりて、互いに他を苦しめんと欲すべからず。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十三頁) 一体、人は他人が自分を瞞したからといつて、その人…

経集 147

147 目に見ゆるも又は見えざる者も、遠くに住するも遠からざる者も、已生者も又は求生者も、此等一切有情に福祉あれ』(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十三頁) 目に見えるもの、見えないもの、遠くに住むもの、近くに住むもの、既…

経集 146

146 いかなる生物生類たりとも、怖動者も定立者も、長身者も又はいかなる大身者も、中身者も短?者も微細者も粗大者も、(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十三頁) どんな生きものでも、例外なく、弱いもの、強いもの、長いもの、大…

経集 145

145 また諸識者に非難せらるゝが如き、いかなる雑穢行をも行はざれ。但だ斯る慈を修せよ。『一切有情は幸福なれ、安穏なれ、福祉あれ、(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十二頁) 賢い人が詰まらないことゝ無視するやうな、そんな些…

経集 144

144 足ることを知り且つ養ひ易く、難行なくして且つ簡素に暮し、諸根寂静にして且つ聡明なり、傲慢ならず、檀越の家に随貪せず。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十二頁) 充ち足りた思いで、与へられるまゝに暮らし、何をせねばと…

経集 143

143 義に巧みなる者が、かの寂静句を現観して行ふべき所のことは次の如し。有能にして直く且つ端正に、善語・柔和にして且つ過慢ならざれ。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 八 慈経 五十二頁) 如何に生くべきかを究めた人が、その安らぎの中…

経集 142

142 生れによりて賎民なるに非ず、生れによりて婆羅門なるに非ず。行為によりて賎民となり、行為によりて婆羅門となる。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 五十頁) 生れによって賎民なのではなく、生れによって高貴なのでもない。行…

経集 141

141 現世にては呵責せられ、また来世は悪趣に至る。彼等が悪趣に至り、又は呵責せらるヽを、高き生れも遮止するなし。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 五十頁) そのようなものはこの世にあつては非難され、未来に於いては苦悩の世…

経集 140

140 聖典を読習する家に生れ、聖典に関係深き諸の婆羅門、彼等も諸の悪業に屡〃近づき行かば、(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 五十頁) 聖典を読誦する家に生れ、いつも聖なる言葉に親しんでいる婆羅門であつても、よからぬ行ひを…

経集 140

140 聖典を読習する家に生れ、聖典に関係深き諸の婆羅門、彼等も諸の悪業に屡〃近づき行かば、(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 五十頁) 聖典を読誦する家に生れ、いつも聖なる言葉に親しんでいる婆羅門であつても、よからぬ行ひを…

経集 139

139 彼は離塵の大道たる天乗に乗り、欲貪をば離貪して、梵天界に至りたり。彼が梵天界に至ることを、卑しき生れも遮止せざりき。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 四十九頁) 情欲から解放されて、最高の境涯に到達した。そのように…

経集 138

138 彼摩騰は得難き所の第一の名聲を得たり。多くの刹帝利・婆羅門は彼の供奉に来れり。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 四十九頁) そのマータンガは何人も得難い最高のほまれを得た。そして大勢の刹帝利や婆羅門の人達が、彼に仕…

経集 137

137 我がこの説示の真偽をば、この次の例によりても知れ。犬殺しの摩騰とて、有名なる旃陀羅の子ありき。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 四十九頁) 私がこのようにいふのを、次に私が示す実例によって解って欲しい―賎民の子で犬…

経集 136

136 生まれによりて賎民なるに非ず、生まれによりて婆羅門なるに非ず。行為によりて賎民となり、行為によりて婆羅門となる。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 四十九頁) 生まれによって賎民なのではなく、生まれによって高貴な人で…

経集 135

135 実に自ら阿羅漢に非ずして、阿羅漢なりと公言する者は、梵天を含めたる世間の賎、この者が実に最下の賎民なり。我が汝らに説明せし所の此等の者が賎民と言はる。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 四十八頁) 自分は実際に値打ち…

経集 134

134 仏を誹謗する者、或はまた出家・在家の仏弟子を謗る者、彼を賎民なりと知るべし。(南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 七 賎民経 四十八頁) 自覚者とその出家や在家の弟子を誹謗するもの、彼を「賎民」と知るべきである。(毎田周一訳 釈尊…