2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

経集 10

10.走り精進し過ぎず遅れ懈怠するなく、「一切はこれ虚妄なり」とて貪欲をはなれたるかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。(南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇 品 一 蛇経 三頁) 行き過ぎずまた後れず、「一切はこ…

原始仏教講座 第一講 その九

第一講 その九その感謝は形に現れない、形に現わさすということが何かを施すということになるわけです。施すということは、物を施す、施すとは与えるというわけ、やるということです。自分が持っている物を他に与える、差し上げることが施すということ。それ…

松のほまれ 松尾多勢子 第七

第七 刀自情報に接して上京す 当時刀自は、その郷にありしが、志士より時勢の急なるを告げて、上京を促すこと頻繁なりしかば、これを夫淳齋に語り、かつ国事の忽にすべからざるを以てせり。淳齋またかねてより、勤王の念厚かりしも、平素多病の身、自から起…

釈尊の聖句 204

204 無病は最上の利にして、満足は最上の財なり。信頼は最上の親族にして、涅槃は最上の安楽なり。(南伝大蔵経 第23巻 小部経典一 法句経 十五 安楽品 48頁) 真の道 無病は第一の利、満足は第一の富、信頼は第一の親族、ニバーナは第一の安らぎなり…

経集 9

9.走り精進し過ぎず遅れ懈怠するなく、一切はこれ虚妄なりと世間を知るかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。 (南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇 品 一 蛇経 三頁) 行き過ぎずまた後れず、「一切はこれ虚妄」と世間…

原始仏教講座 第一講 その八

第一講 その八仏教とは導くことである。という風に私なりに分かった。それで導くことを始めたわけです。十年間ほど導くことをやると、自分の力で導いているのではないという実感が段々してくるんです。導くことはやってもあまりお賽銭あがらないんです。お寺…

松のほまれ 松尾多勢子 第六

第六 志士雲の如く京都に集まる かくて尊王の論、ますます盛んにして、志士の気焔とみに昂り、ついで各藩の交渉開かれ、志士の往復も、また頻繁となれり。 この時に当りて、庄内の志士、清川八耶、公卿中山忠愛と謀り、青蓮院宮の密旨と称して、広く西南諸藩…

釈尊の聖句 202

202 貪欲に等しき火なく、憎悪に等しき罪なく、五蘊(肉体的存在)に比すべき苦なく、寂静に勝る安楽なし。(南伝大蔵経 第23巻 小部経典一 法句経 一五 安楽品 48頁) 四つの己 むさぼりに等しき火はなく、怒りに等しき邪悪はなく、肉体の如き苦しみ…

経集 8

8.走り精進し過ぎず遅れ懈怠するなく、この愛・見・慢の三障礙をすべて超えたるかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。 (南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇 品 一 蛇経 三頁) 行き過ぎずまた送れず、かの妄念(そのも…

原始仏教講座 第一講 その七

第一講 その七親とは何、導くことでしょう。親は稼いできて、飲ませ食わせし、要するに育てる、学校にやる。昔は学校なかった。ずっと昔は学校なかった。学校というのは明治時代から出来た。その前寺子屋というのはぽつんぽつんあるにはありましたが、寺子屋…

おりじなる童話 ぼうし

吉永光治のおりじなる童話 ぼうし 「どんな ぼうし かってくるかな」 おかあさんが いま かいものに でかけたとこです。 ともこはへやで えほんを みていました。 えほんのなかは ぼうしがいっぱい。 あかいりぼんのぼうし つばひろのぼうし はなのついたぼ…

釈尊の聖句 201

201 勝利は怨憎を生じ、敗者は苦しみて臥す。寂静に帰せる人は、勝敗を棄てて安楽に臥す。(南伝大蔵経 第23巻 小部経典一 法句経 一五 安楽品 48頁) 勝 敗 勝ちたる者はうらみを生じ、負けたる者は苦しみてよこたわる。勝敗をすてたる者は心静まり…

経集 7

7.諸の不善尋をば焼尽せしめ、心内すべて善く整備せるかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。 (南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇 品 一 蛇経 三頁) どのような思想の持ち合せもなく、内心のよく整へられた、その修行…

原始仏教講座 第一講 その六

第一講 その六仏教の教え、それを体験する修道、修行の方法、それからそれを体得した状態という、教・行・証、これが仏教そのものであるとします。それが分かる、あるいは分かる途中である、そしてそれでどうなるかというと、それを導かなければならない。仏…

松のかほり 松尾多勢子 第五

第五 刀自平田篤胤の門に入り諸藩の志士と交はる これより先、平田篤胤、いたく 皇室の式微を歎き、皇学を興して盛んに敬神愛国の説を唱へしより、大義名分やうやく明かに、勤王の士気いよいよ昂れり。刀自もまた、篤胤の没後、その門に入り、こゝに広く諸藩…

経集 6

6.その内心に怒りあることなく、且つ禍福善悪を超越せるかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。(南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇品 一 蛇経 二頁) 心中に怒りを持たず、物事の成ると成らぬとを超えてゆく、その修行…

釈尊の聖句 191

191 苦と、苦の因と、苦の減と、苦の減尽に至る八支の聖道、即ち之なり。こは安全なる依所なり。最上の依所なり。かかる依所に趣きて、一切の苦より脱す。(南伝大蔵経 第23巻 小部経典一 法句経 十四 仏陀品 46頁) 真実の道 苦と苦の原因と、苦の征…

原始仏教講座 第一講 その五

第一講 その五教・行・証、所が日本ではこれがばらばらになっている。システマチックになっていない。いきなり「ただ黙って座れ」「お任せ」という話になり易い。偉い管長さんがお話なさると「黙って座ればぴたりと当る」というのがありますが、あの式なんで…

松のほまれ 松尾多勢子 第四

第四 刀自時勢を慷慨す 刀自郷に在りて、常に慷慨して語るやう、今や昇平久しく打ち続き、世を押しなべて奢侈虚飾に流れ、士気の堕落はその極に達し、国運日に月に衰へたり。ことに近時幕府の行動を見るに、陽には 皇室を尊ぶが如く装へども、陰にはその式…

経集 5

5.無花果樹(いちじく)の林中に花を求めて得ざるが如く、三界諸有中に堅実なるものを得ざるかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。(南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇品 一 蛇経 二頁) 無花果の林に花を求めるように…

釈尊の聖句 188

188 恐怖に駆られて人は山岳に、森林に、園苑に、聖樹に種々なる依所を求む。(南伝大蔵経 第23巻 小部経典一 法句経 一四 仏陀品 46頁) 帰依所 人々は恐怖にかられて、山に森に、林園の木やみたまやに、実にそれらあまたの帰依所にゆく。(田辺聖恵…

おりじなる童話 おばあちゃんのせんぷうき

おばあちゃんのせんぷうき なつが くると ぼくの おばあちゃんは おしいれから ふるい いろの はげた せんぷうきを だしてくる。 「また ふるい せんぷうきを だして……クーラーを いれて ちょうだい」 おかあさんは かおを しかめて いう。 おばあちゃんは …

松のほまれ 松尾多勢子 第三

第三 刀自始めて江戸に出で領主松平侯に謁す 嘉永四年、刀自はその夫淳齋に従ひて、はじめて江戸に出で、領主松平義建侯に謁見するを得たり。侯は、かねて、刀自の歌道に嗜み深きよし、聞き及びければ、側近く召して、斯の道のことゞも、語らひける折抦、た…

原始仏教講座 第一講 その四

第一講 その四ただ教えだけではうまくいかない。学校教育が今いろいろ問題になるのは、教えるのはどんどん教える。文部省の指導要領で、一年生はこれ、二年生はこれ、と予定全部決まっている。40人とかの生徒の学力の差とか、集中力の差とか、親の環境とか…

釈尊の聖句 186

186 金貨の雨によりても欲心の満足あることなし。欲は甘味少く苦なりと知りて賢者は、天上の欲楽於ても喜悦せず。正等覚者の弟子は愛欲を減尽するを喜ぶ。(南伝大蔵経 第23巻 小部経典一 法句経 一四 仏陀品 46頁) 金 貨 金貨を雨ふらすとも満足は…

経集 4

4.大暴流がいと弱き堤を壊すが如く、慢(おごり)をば残りなく破壊せしかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。 (南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇品 一 蛇経 二頁) 弱い葦の堤を洪水がおし流すように、思い上がりを…

原始仏教講座 第一講 その三

第一講 その三それでは何を信じるか−ということですが、特にここでずっとこれから学習してゆくのは原始仏教、お釈迦様が生きておられた頃のことを主に学習していくわけです。その方面で話します。日本仏教を一々引き合いに出すと話が混乱しますので、原始仏…

松のほまれ 松尾多勢子 第二

第二 刀自の生家と婚家と 刀自は、みすゞかる信濃国下伊郡の山本邑に、文化八年五月を以て生る。竹村常盈の長女なり。人となり温厚篤実にして、気節高く、幼き頃より、古典和歌などを学び、とりわけ歴史を読むをこの上なき楽みとせり。されど片田舎の事とて…

目次

原始仏教講座 目次 【1】原始仏教 【2】意味・確実・充足 【3】要点化 【4】尊敬供養 【5】予備知識 【6】信者の五法 【7】三宝 【8】互恵真理 【9】原理に即して 【10】施し与え 【11】生きるともなく 【12】欲望を欲求へ 【13】本質実行

経集 3

3.急流する輪廻の流れを涸渇せしめ、渇愛を残りなく棄断せしかの比丘は、蛇が古りたる舊皮を棄つるが如く、彼此の岸をば共に捨つ。 (南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇品 一 蛇経 二頁) 流れる早い水の流れを涸れさせて、渇愛をすべて断ち切った、…