山頭火に寄せて 末路を見る

   『末路を見る』
彼にふさわしくない戦時下になって
志気高くあらねばならぬと
己を叱かりつゝも月をながめる山頭火
 少々のお金が入ると早速に
 ふみ割った下駄の代りを買い
 まず一杯と酒にありつく山頭火
酒が己の公案だなどと格好をつけて
力んではみるものゝ己をいとおしみ
巳の末路をみすえている山頭火