三宝聖典 第一部 第二十五項 ビンビサーラ王の入信

ビンビサーラ王の入信
 
世尊、カッサパ三兄弟と千人の弟子を従えて、ラージャガハに入り郊外のみたまやにとどまりたまえり。マガタ国のビンビサーラ王は多くの人々を引きつれて世尊のみもとに参り、礼拝して親しく挨拶をかわし、それぞれ座をしめたり。時にマガダ国の人々に疑いが生じたり。

「大シャモンが老カッサパに従うて行ずるや、老カッサパが大シャモンに従うて行ずるや。」と。
 
世尊、これを察せられ、老カッサパに問いたまえり。

「ウルベーラーの住人よ、人々を教え導くおんみは、何を見て火神を捨てしや。」

「祭りは物と身にふるる欲と女とを説く。かくのごときはけがれなり。輪廻の因なりと知るがゆえに、いけにえと祭りを楽しまずなりぬ。」

「カッサパよ、しからば人間、神の世界のいずこにおんみの心は楽しむや。」

 
「生存と次の生をもたらす因なく、欲に執着せず、他によりて導くべからざる静けさの道、ニバーナを見たるがゆえに、われはいけにえと祭りを楽しまずなりぬ。」
 
時に尊者カッサパは座より立ち、上衣の右肩をぬぎ、頭をもって世尊のみ足を頂きて申し上げたり。
 
「世尊はわが師なり。われは弟子なり。世尊はわが師なり、われは弟子なり。」と。
 
かくて人々は疑いをはらしたり。世尊は王らのために、次第に説法したまえば、多くの人々、法の眼を得たり。
南伝三巻六三頁律大品二二第一ガンド 南伝三八巻二三七頁小部本生経五四四マハーナーラダ カッサパジャータ

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