ひとしずくの思考

ひとしずくの思考』          田辺聖惠
水の一滴はある大きさになると
自分なりの性質として落ちる
その一滴一滴が集まりになる
人間の思考もひとしずくとなり
紙や心に書き付けられて
ひとしずくひとしずくがまとまる
ささやかな思いや小さな考えを
遠くからの手紙の様に大切にしよう
それらが生き方の決め手になる

ひとしずくの思考]ー一日に二三度の食事をする。一
杯の茶碗の中に沢山なご飯粒。同じ様に思考も沢山な断片
から成り立つ。すでに覚えている事、経験する事、類推す
る事、ヒラメク事とその種類も多数。思考の方式はこの集
積複合方式である。初めからまとまりは期待出来ない。

『情報が増えるほど思考の必要性が増す』
食事を毎日する様に思考も毎日するのが順当であろう。
読書は心の糧と言われる。思考は心の糧の吸収と言えよう。
考えない続書は消化不良となる。読み書きソロバンと言う
が考えが加わって初めて人間形成、人間熟成になる。