原始仏教講座 第四講 その十四

第四講 その十四

四聖諦というのは、この八聖道が一番中心ですが、その中心をふまえて、人間のあり方を全面的に考え、そしてそれを論理的に構成し直したものです。ようするに人間が問題意識を持った場合、その問題意識、問題をいかに解決するかという原理です。それが四聖諦です。先ず読みます、苦諦とは生老病死の四苦にして、怨み憎みにゆきあう苦、愛する者にわかるゝ苦、願い求めて得ざるの苦、つゞめて物も心も苦。ということですね。これ四つの内の一つです。第一番です。苦諦とは、ようするに苦しみ、苦ですね。諦というのはあきらめ、あきらめというのは、あきらかに知る、あきらめるということは、あきらかにするということが、あきらめるです。日本ではあきらめるというと、もうしょうがないと、こうなげやりにになるのがあきらめと、どうにもならんから、まあしょうがないというようなのがあきらめというようになっていますが、仏教にいうあきらめとはあきらかに知る、ようするに真理を認識するということです。苦の真理です。苦を真理として考えるわけです。苦をあきらかに知ると、ということは生老病死、生れる、年をとる、病気をする、死ぬ、生老病死、これを四つの苦しみとして、一つの感傷的、感情的にとらえるんではないんですね、論理的にとらえるわけです。

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