原始仏教講座 第四講 その二十一

第四講 その二十一

 それではそれに行き着くにはどうしたらいいか、というのが道諦です。道諦は、その道、手段方法です、プロセスです。道諦は二バーナへいたる八聖道、正見、正思、正語、正行、正命、正精進、正念、正定。先ほど中道のところで、中道すなわち八聖道というのを学習しましたね、それと同じです。
 苦しみが無くなった状態に、解脱した状態、ニバーナの状態へ行き着きたいならば、八聖道をやりなさい。
 八聖道というのは正しい見解、真理の認識ということです。それからそういう状態になりたいと、正見正思、正しい感情を持つ、正しい欲求を持つわけですね。それで執着、欲を捨てるというのが、何か欲を捨てるのが仏教という風に大概の人がとっておられますが、これは反対なんですね。正しい欲、強烈な欲を持つわけです。常識の世界を越えた、一種の完全なる境地を求めるというのだから、それはもう、何億という財産を物を求めるというのと次元が違う、非常に大きな欲望というか、私は欲求とするわけです。まあ欲望というのは常識的です、物を集める、愛情を求める、そういうのは欲望である。こういう真理を体験するという、価値的なものを求める場合は欲求とするわけです。
 そういう正思ですね、正しい欲求を持ちなさい、正しい感情を持ちなさい、正語、そして正しく話をしなさい、正行、それから正しい生活ルールを守りなさい。正命、そして宗教者なら宗教者らしく、生活をしなさい、生きなさい、仕事をしている人は仕事をする者として、仕事と生活とがあまり分離しないように生きなさいということです。正精進、正しい努力をしなさい。正念正定、常に真理を思い浮かべなさい。そしてその真理と一体になるという、方向にありなさい。ということが道諦八聖道です。