原始仏教講座 第一講 その十一

 第一講 その十一

お釈迦様達は人が捨てた、着ないようなボロ布を拾い集めて、広い布に縫い合わせて1枚の布にして、それを衣として、日常の着物として着ておられた。インドでは普通の人も1枚の布をぐるぐると体に巻きつけるわけですから、それが衣。儀式用のというのはない。

日本の坊さんは金ピカ、紫、緋の衣着るでしょう。宗派によって違いますけど、何故色の付いた衣を着るのでしょうか。あれは中国式なんです。中国で役人は着る着物の色、形もあるでしょうが、色で階級を表した。十二階級があったわけです。

中国でインドから仏教が入ってきた、これはどうもいままでの儒教なんかとは違う、これを研究させようと、役所の役人を全部仏教学者にしてしまった。役所の建物をお寺にした。ですから、お寺の格好は役所の建物なんです。日本の坊さんは中国に行けば、インドへは行っていないので、それを見習って来る。中国の役所の建て方を日本に来て、お寺として建てる。だからインド式と違う。

インドは大概パゴダ、丸くなっている、あれはお釈迦様のお骨を祀ったというところからきています。お釈迦さまの時代にはそんなの何もなかった。お寺というのはなかった。宿泊所はあった。祇園精舎というのがそれです。あれはお寺ではない、精舎というのは、精進をする家、それが精舎。仏像を祀って礼拝する場所ではない。

日本のお寺は、仏像、仏様を祀って礼拝するところです、坊さんが修行する場所ではない。坊さんは庫裏といって、仏殿、仏様待ってある所から別の所に庫裏というか、住まいの方に居る。お寺というのは、仏像仏様を祀ってそこで礼拝したり行事したりお説教したりする場になっている。要するに坊さんの修行の場とは違う。お釈迦様の時代はお釈迦様自身が仏様ですから、お釈迦様を祀るということはない訳です。お釈迦様に挨拶したり拝んだりはします。

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