三宝聖典 第一部 第二十六項 竹林精舎の寄進

竹林精舎の寄進

ビンビサーラ王は、世尊に申し上げたり。
 
世尊よ、われかって王子たりし時、五つの願いを持てり。われ王としてかん頂を受けん。わが国に応供、正等覚者を迎えん。われその世尊に仕えん。われその世尊の法を悟らんと。今やこの願いのすべてをなしとげたり。
 
世尊よ、すぐれしことなり。あたかもたおれるを起し、くら闇に光りをかかげ、眼ある者に見せしむるがごとく、世尊は法を説きたもう。

「世尊よ、われはブッダとダンマとサンガに帰依したてまつる。今日以後、生命の終るまで、三宝に帰依したてまつる信者としてわれを受け入れたまえ。 願わくば明日、弟子の衆と共に食事の供養を受けたまえ。」と。
 
世尊は黙して請いを受けたまえり。翌日世尊は王宮に入り、王 手ずからの食事を受けられたり。王この時、思えり。

「わが竹林園は町より遠からず、また近すぎず。行ききに都合よく、望める人の行き易く、昼夜さわがしきことなく、人をはなれて静思にふさわし。」と。
 
王は黄金の水がめを取り、世尊のみ手にそそぎて竹林園の寄進を申し上ぐれば、世尊は園を受けたまえり。世尊は法を説きて王をはげまし、歓喜せしめ、座より立ちて去りたまえり。
南伝三巻六五頁律大品二二第一ガンド

https://philosophy.blogmura.com/buddhism/にほんブログ村 仏教