仏教による幸福への成功方式 #59(第八章ダンマ 六度 施行は互いの修行法)

第八章 ダンマ「六度」(施行原理)
                    
  施をなして  共に喜ぶ善をなせ
  戒まもり   共に苦しむ悪止めよ
  忍辱は    怒りをとかす慈悲心
  精進は    たゆまずはげむ力なり
  禅定で    心正しく定まれば
  智慧光り   仏陀の如く輝やかん

施行は互いの修行法


今迄は主として個人の完成、苦滅涅槃、正覚するという最初の目的のとらえ方を習いました。しかし「縁起」(根本原理)によって自分だけの生活、幸福というものはあり得ない、人間は社会的共同生活によってしか幸福を得られないということも分かりました。基本的正行原理をいかに社会的に活用し、互恵の浄土社会を作り出すかの実行原理がこの六度です。(度とは苦しみなき彼岸に渡る、さとるという意味)この施行原理があればこそ浄土作りは単なる空想に終わらず理想となるのです。
 
この理想実現の為の実行集団がサンガ(正僧伽)であります。私共はこのサンガの一人として自覚し、積極的に協力して生き抜くことより他に個人の幸福も社会の幸福もあり得ないのです。このはてしない現在の流れ(三世と区分けしても実は現在だけしかないのです)を浄土化することが世尊の真意なのです。来世という考えは無限の現在を理解する為の予備教育なのです。仏教原理を勉強し始めたあなたはサンガの一員として正善欲求、社会の浄土化という理想の火をつけたのです。仏陀世尊に見守られ世尊の代行者としてその理想の火を赤々と大きくしてゆかねばなりません。
 
その浄土化の実行法は六つです。そしてこの六度はあなたが時には与え、時には受ける相互に施し合い、恵み合う施行法です。この施行とは他の人々が真の幸福をつかむ為の手助けをする、ほどようするということで単に物を施すという意味ではありません。仏陀世尊は偉大なる救導者でありこの六度の実行者でした。世尊は常に与える方でした。しかし又人々の願いによる施や讃嘆や尊敬も受けられました。ではその六つとは?
 
「ひとつのいのちに怒りなく、慈愛をかけるは善きかな。すべての生きとし生けるものに、あわれみの心をたれるこそ限りなき功徳なり」
(パーリ中アゴンサラ人経)

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