仏教による幸福への成功方式 #46(第六章ダンマ 実相 実相の分解 )

実相の分解

しかし世尊はこの言葉で示しがたい実相の世界を分かり易く説かれましたので研究しましょう。一人の人間、一本の白墨が姿も力も持ち又同時に因となり果となる十の條件をもっている。この條件は一つ一つのそのものを代表するからその條件同志は平等であり、すべての物は皆この十の條件をもっているから平等であるということにもなります。
 
この実相の原理は実はすべての人間は平等であり人間と仏陀は仏心をもっている点で平等であるから、それを覚れば全く仏陀と平等となる。つまり仏陀になれるということの智慧を示してあるのです。世尊のお弟子達に、自己の苦滅が完成し個人としての目的がかなうと、それでよいと一休みする方々があったので世尊はそれで止まってはいけない、お前達も仏陀である私とこれこれ十の條件で同じなのだ、だからお前達も必ず仏陀になれるのだ。だから仏陀の行つまり利他の慈悲行をもう一奮起しなさいと励まされたのです。どうぞこの実相の味わいによってこのけがれに満ちた私共も、やがて仏陀になれるという喜び、いやならねばならぬという願がけをつかみましょう。仏陀の理想を通して自然を見る目を養いましょう。      
     実相            人間      白墨
    相-姿かたち        人の姿     白い姿
    性-性質          人の性質    中位固い
    体-形体          人の肉体    丸くて長い
    力-内にこもった力     人の力     重みもある
    作-外に現われる働き    人の働き    字がかける
 空
    因-たね、原因となる    子の親となる  なければ書けない
    縁-他の縁となる      結婚の相手   字を書く縁となる
    果-果ともなる       親の子である  粉を固めて白墨
    報-果の続く状態      ずっと子である ずっと白墨
    本末-初めも終わりも平等  同じ人間    同じ白墨

 
同時因果-相性体力作は同時に今、すべてがもっているものですから同時にある因果関係と言います。

異時因果-因縁果報は同時に子の親という因でもあり、結婚の縁をつくってもおり、自分の親の子という果でもあるから同時因果でもあるが、白墨の粉を固めて果を作り出す時間的経過をも示すから異時因果とも言えます。すべてのものはこの同時異時の二つの因果関係をもっていて、しかも本も末も同じものであるという平等の見方が出来るのです。この実相の法則は縁起の法則を更に詳しくしたもので別種のものではありません。すべてのものは変わりゆくので本体などはない。そしてすべては平等なのである。しかしこの理論はむずかしくないのですが、自分に欲心があるとなるほどと納得できないのです。そして人々はいやすべてのものに本体はなくとも何か根源はあるはずだと追求するのです。そうした智的欲求に対して空をもって教えてあります。


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