経集 69

69 独坐と禅とを遺つることなく、諸法に於て常に法に随ひて行じ、三界諸有の過患を思惟し、犀角の如く応に独り遊行すべし。南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇 品 二 犀角経 二三頁)
独りの生活と冥想との中で、どんな事に当ってもいつも真理に従って行動し、色々の生存に伴う悲惨を知り抜いて、犀の角のようにたゞ一人歩いてゆかう。(毎田周一訳 釈尊にまのあたり 一周会刊)
独坐と禅思とを捨てず、すべてに法の如く行じ、すべてのものに患難を見、一人遊行なすこと犀牛の如くせよ。(田辺聖恵訳)
◎ジエーナ、サマーデイ(禅思・三昧)は無念無想でなく、法を静思し、法との一体化を自己の上に確立することである。法とは縁起正法。日常一切を日常の心で見れば、苦楽無限結局は禍わいである。まずその鋭敏な感覚が入信の第一。大いなる苦のみが大いなる真楽に通じる。それは独個の道でもある。田辺聖恵