経集 36

36.交はりをなせし者に親愛あり、親愛に従ひてこの苦生ず。親愛所生の過患を観察しつゝ、犀角の如く応に独り遊行すべし。南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二 一 蛇 品 三 犀角経 十四頁)
人と触れ合えば愛著が生ずる、その愛著からこの苦しみが生じる、愛著のもつ危険を見抜いて、犀の角のようにたゞ一人歩いてゆかう。(毎田周一訳 釈尊にまのあたり 一周会刊)
他と交わるものに愛恋の情起り、愛情にしたがいて苦は生ずるなり。このわずらいを見て一人遊行なすこと犀牛の如くせよ。(田辺聖恵訳)
愛恋の情を、人間らしいという。それは人間の全くある一面にすぎないのに。一切の因に一切の果がある。この例外なしの世界にあつて、大いなる愛情を求めねばならない。一人で遊行する精神の高さ、戒律を守る自制の確かさ、ここに人間の高貴さがある。己をまともに批判できることが遊行の精神である。田辺聖恵

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