三宝法典 第二部 第五七項 デーバダッタの最後

デーバダッタの最後

デーバダッタは二大長老が弟子らをつれ去りしことに苦しみ、血を吐きて病いを得たり。その時、かれの心に良心がわき、

「九ヵ月の間、われは如来に対して不利益をはかれり。しかるに、ブッダ世尊は
われに対し悪心を持ちたまわず。八十人の大長老も悪意を持たれず。されどわがなせる悪行のために、ブッダ初め多くの人々より見捨てられたり。すでによるべなき身となりたれば、世尊にお詫びをなさん。」と。供をつれて、夜分に旅をしコーサラ国につけり。

尊者アーナンダは、このデーバダッタが来たれるを世尊に申上げたれど、世尊は、

「アーナンダよ、デーバダッタはわれに会うことなからん。」と仰せられたり。 

祇園精舎の門ちかく、蓮池に来たれる時、デーバダッタはその悪のむくい頂点に達し、身体中に熱がふき出せり。水浴して水を飲まんとして、かれが地面におり立つと同時に、大地が口を開き、たちまち地獄のほのほがほとばしり出てかれをとりまけり。

かれはみずからの悪のむくいを悟り、如来の徳を思い、心より帰依の言葉を叫びつつ地獄におちゆけり。かれにつきそう五百の家族ありたるも、ともども如来をそしり、ののしりたるため、かれと共に地獄におちゆきたり。

南伝二四巻二七頁本生経四六六サムッダバーニジャ・ジャータカ

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