「三宝」71号 五つの幸福原理 #2 (Ⅰ、希望原理)

Ⅰ、希望原理
 
幸福を望まない人間はおりません。ところが誰でもすぐに幸福にはなれないし、かえって不幸に落ちこむ人の方がずっと多いのは困ったことです。それは、幸福への希望を正しく持たないからです。そこで希望原理を勉強しましょう。

 希望原理 1、幸福 2、信頼 3、善意 4、規律 5、真理 6、正導

1、幸福-幸福を望まない人はいないのに、幸福とは何かというと、はっきり笞えられる人はおりません。心の満足ではありますが、それは何かが得られ充足している状態です。 

まず普通の人にとっては、何か充足することを望みましようか。それは具体的には五つ。

  ①富 ②健康 ③自由 ④愛情 ⑤理想
 
経済的に余裕が出来ることは、現代は特に必要です。健康も今のように慢性病が多くなってきては、大いに研究せねばなりません。自由とは若者だけの特権ではなく、すべての人が求めます。旅行に出たがるのも、開放を求める心の要求でしょう。愛情とは、人間関係がだんだん閉鎖的になってきているので、よほど研究せねば、精神障害や不満の原因となります、理想は容易に得られるものではありませんが、人生の方向がそちらに向いていないと、無駄な生き方ばかりしてしまいます。

 
この五幸福は、あなたでも必ず得られます、それには三つの条件があります。知信行-まず知ること。理というすじみちを分かること。その分かったことを信念化すること。そして実行する。どんなことでも原因に対して、他の間接原因が働いて結果が出てきます。不幸とは不幸のたねを持っているからです。そのたね、殆どが心のたね心因なので、善い心因に変えさえすれば必ず、幸福になることが出来ます。

2、信頼-私たちはこの地上に決してただ一人ポッンと存在するのではありません。多くの人が自分の幸福を中心にしているが、結構人の幸福も考えてくれるものです。親は子の幸福を守ろうとするのが普通です。世の中が全部自分をおとしいれるように動いているといった感じ方は妄想です。昔にも今にも沢山の人が幸福になっています。だから自分の分の幸福、つまり健康と幸福と和合とがあることを信じ頼りにしましょう。

仏様や神様の存在が分からない人でも、この世の中には、善意を持った人々が沢山いるであろうことは信じられるはずです。頼りになるのは自分の力だけだと思う人が多いのですが、自分というものは、本来、多くのまわりの物や人によって与えられているのですから、自分を通して、まわりのすべてを信頼するようにならねばおかしいわけです。

自分-握る-物。自分と物との問にはこの頼れる関係があるのです。大きな物、大きな事でも、同じことです。信頼は本当に大切です。

3、善意-自分が幸福を得ようと思うならばまず他に与えねばなりません、買う時でも百円の金を払って、商品を手にするわけです。

個人主義というのは、自分だけものを欲しがるということで、与えることを知りません。与えること施しは、難しいものです。得ることを幸福と考えている人は、与える喜びを知らないし、与えたら自分にのさり(お蔭)がくるということもピンときません。与えることはいわば奉仕(施)することです。物や原理、考え方、与え方などを、誠意をもって、言葉と行動をもって相手または自分に、しかも常に与えることです。日本人は奉仕することになれていないのでこれから大いに実習すべきです。

4、規律-五つの規律 ①殺生しないこと ②盗みをしないこと ③みだらなことをしないこと ④うそを云わないこと ⑤酒を飲まないこと

殺生と盗みは法律でも禁止しています。あとの三つは禁止されてはいませんが、幸福になるためには、やはり守るべきです。酒やタバコを飲むのが幸福という人は、他の幸福を知らない不幸な人です。幸福とは、それを続けふやせばますます幸福になるというものです。度を越すといけないというのは本物ではありません。

5、真理-この世の中は、人間はどういうふうになっているのかという本当のすじみちを真理と云います。この世の中は偶然で動いているのでもなく、運命で決まってしまっているのでもなく、神の意志通りになってゆくといったものでなく、人間は生まれるべくして生まれ(いわば本能-無明)行動によって、つねに新しい結果と変わってゆきます。この世の中に変わらないという固定的なものはありません。すべて変化する-これが真理です。こうした真理があることをまづ信じ、それを理解し、体験化する実行をしようと決心して下さい。真理に合致しないことには幸福になれません。

6、正導-自分の幸福を得ようと思うなら、人の幸福に多大の関心を持つこと。そうしてどうしたら幸福になれるかを正しく導いてあげて下さい。それはこの六つの要素からなり立っている希望原理を解説してあげることです。すじみちを知る(知)、それの信念化、信頼(信)、すじみちの体験、実行(行)、この知信行を自分で実践すると同時に人にも教えるわけです。これは教えてあげる形を通して、自分で復習することです。つまり正導させて頂くということになります,そしてはたして自分はやっているだろうかという反省、頑張らねばならないという熱意がわいてきます。もっともっと学習せねばならないという意欲もわいてきます。

そういう心になった時、その人が目的としている幸福が得られなくても、人に与えること、学習することの喜びが直ちに得られるので、幸福の境地に入ってゆきます。こうして喜びが得られると、必ず自分の目的は達成出来るという自信がわいてきます。そしてもっとやろうという行動のエネルギーがわいてきます。

知信行さらに喜び-自信-原動力。これをくりかえし、らせん的に私達は向上発展してゆくものです。何と素晴らしいことではありませんか。直ちに始めて下さい。