三宝聖典 第一部 第二十七項 サーリプッタ、モッガラーナの入門

サーリプッタモッガラーナの入門

時にラージャガハにサンジャヤといえる修行者あり、二百五十人の弟子あり。その上席にサーリブッタとモッガラーナの二人ありて共に約束せり。

「死にあらざる道を体得せる者は、告ぐべし。」と。
 
時に尊者アッサジは早朝に托鉢せり。その威儀の正しさを見てサーリブッタは、その道を問わんとして従えり。食事終りたれば挨拶をかわして申せり。

「友よ、おんみの肉体は静けさにみち、その肌色は清浄なり。おんみは何びとによりて出家し、何びとを師とし、何びとの法を楽しみとなしたもうや。」
  
「友よ、シャカ族より出家せる大シャモンあり、われは世尊によりて出家し、世尊を師とし、世尊の法を楽しめり。」
  
「尊者の師はいかなることを説きたもうや。」
  
「友よ、われは出家して日浅く、広く法を説くあたわず。されば法を略して説かん。すべてものごと 因より生ず。如来は因を説きたもう。すべての滅をも説きたもう。」
 
サーリプッタはこの法門を聞きて、けがれをはなれし法の眼を得たり。
  
「生ずるものは、みな滅す。」と。
 
モッガラーナサーリプッタの来たれるを見て言えり。
  
「友よ、おんみの肉体は静けさにみち、その肌色は清浄なり。友よ、おんみは死にあらざる道を体得せしや。」
  
「しかり、友よ、われは死にあらざる道を体得せり。」
 
かくてサーリプッタはアッサジの一件を告げ、モッガラーナはこの教法を聞きて、けがれをはなれし法の眼を得たり。
  
「生ずるものは、みな滅す。」と。
 
二人は二百五十人に説き、この衆を従えて竹林精舎に至れり。とどめんとして、サンジャヤはその場にて熱血を吐けり。
 
世尊はサーリプッタモッガラーナの遠方より来たれるを見たまいて告げたもう。

「ビクらよ、かしこより来たりつつあるかの二人は、わが一対の大弟子とならん。」と。この一対が輪廻の因を滅しつくし、すでに解脱して竹林精舎に至れるその時に、世尊は二人に予言したまえり
  
「ここに来たれる二人は、わが一対の大弟子とならん」と。
 
この二人は世尊の前にひざまづき、み足をいただきて、世尊のみもとに出家せんことを願えり。世尊、告げたもう。
  
「来たれビクらよ、法はよく、  衆生のために説かれたり。
 正しく苦をば 滅せんと、   清浄の道 行ずべし」
 
これ尊者らの出家受戒なり。
南伝三巻七一頁律大品二三第一ガンド
アッサジの唱詩を聞きて予流果に達し、モッガラーナ、入門七日にしてアラハン果。サーリプッタ半月
にしてアラハン果に達す。

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