経集 111 112

111 「第十のかの敗亡者は、これ斯の如しと我等は識れり。第十一をば世尊は語りたまへ、何が敗亡者の敗亡への門なりや」。南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 六 敗亡経 四十頁)
第十の没落者が仰言る通りなのはよく解りました。では世尊よ、第十一の没落の始まりはどこにあるのでせうか、それをお示し下さい。(毎田周一訳 釈尊にまのあたり 一周会刊)

112 「酒肉に耽り、財を散ずる婦人、又はこれに類する男子をば、主人の位に立つる、これ敗亡者の敗亡への門なり」。南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 六 敗亡経 四十一頁)
酒飲みで浪費する女、又はそのやうな男に、物事の支配を、あかせてしまへば、そこに没落の始まりがある。(毎田周一訳 釈尊にまのあたり 一周会刊)
酒に溺れ、みだりに財を使う女又は男を、王の位に立つるはこれ亡びの因なり。(田辺聖恵訳)
今日は酒どころか麻薬中毒がふえて、いきなりの殺生。まさに自他共に亡びる。新婚旅行の飛行機が山に激突して死亡。財は謹しみも畏れも失わさせる。
王の位とは真に自立し、他のために力を尽くす人ということか。大いなるものより見られているという意識がない時、人は幸福という毛皮を着た動物だ!田辺聖恵