経集 89

89 諸の善務の装ひをなして、衆中に跳入し、傲慢にして在家を汚し、?ありて自ら制せず、虚談をなして、殊勝げに行ずる者が道を汚す者なり。南伝大蔵経 第二十四巻小部経典二一 蛇 品 五 淳陀経 三四頁)
正しい行ひをしている者のように見せかけて、内心は図太く、在家の生活を汚して、あつかましく、偽善者で、自分の身は修まらぬのに、口達者で、そかも殊勝らしく振る舞う者、彼が「道を汚す者」である。(毎田周一訳 釈尊にまのあたり 一周会刊)
戒を破り、ビクに交わるにあらあらしく、おごりたかぶり、信者の家を乱すもの、偽りあり、自ら制することなく、もみぬかの如きもの、法の如く遊行なすもビク中の第四、壊道者と呼ぶなり。(田辺聖恵訳)
戒を破ってはサンガ和合衆の一員とはなり難い。自らを守らねば間接に信者を混乱せしむることになる。もみぬかの如きとは真実なきものの意か。形のみ衣を着けて、右往左往すれば、やがては仏道を破壊し尽す。今日の精神的荒廃を救うもの、それは宗教者でなければならぬ。今曰待望されるのは真の宗教者。田辺聖恵