仏教による幸福への成功方式 #42(第五章ダンマ 縁起 正息法 )

正息法

食は三十日間食べなくとも生きられますが、呼吸は三分間しないと死んでしまうのです。命が血につながるように、生きることは息することなのです。身体
中の古いかすを運んできた静脈は肺の中で呼吸によって古い炭酸ガスを吐き出し、同時に新しい酸素を取り入れて血液を浄化するのです。この呼吸が正しくなければすべての調子が悪くなるのは当然です。正しい呼吸は血液の抵抗力をまして若返らせ、平和な喜びと自信を得させ、智慧と新しい生命感をみなぎらせるものです。

呼吸法も各種ありますが四千年の歴史と経験とをもつヨガの法が完全で、世尊もこれを採用されておられたのでそれを説明します。姿勢は正坐又は立って両手を少し開き、又は寝たまま。

腹の呼吸-息を吐き乍ら下腹をひっこめ、次にゆっくり息を吸い込み下腹をふくらます。心はへその下あたりを念ずる。

胸の呼吸-息を吐き出してから、肋骨を横へ広げるようにして鼻から吸う。吐く時は肋骨の力をぬく。心は肋骨のあたりを念ずる。この際肩と腹部は動かさぬように。

肩の呼吸-まず息を吐いて、肩をおし上げながら鼻から吸いこみ肺の上すみを一杯にする。吐きながら肩を下げる。心は肺の上部を念ずる。

以上を腹の呼吸で脈三つを数え乍らその長さだけ吸って吐き、よく馴れてから胸の呼吸を脈三つずつ呼吸し、馴れたら肩の呼吸脈二つをし、三種が別々に出来るようになったら、三種を連続して脈八つの間吸って吐き出します。この脈八つの間に精一杯沢山呼吸する為に鼻からシューと音の出るようにかなり強くして下さい。リズムをもってふいごのように。この正息法を三回ずつ、朝昼晩くりかえす。心臓が安らかになり高血圧その他の病気が必ず好転します。

止息-これはヨガ特有のものですが、意志、念力を強める為に行ないます。心は心臓(特に何か祈念する時はそれを念じつゝ)を念じ、正息法を脈八つ数回して心身が落ち着いてから、息を吸い、次に息を止めて下腹に力を入れ、脈八つから二十三の間、そのままにし、力をゆるめて正息法による息の吐き出しを八つでします。息を止めるのは八つから始め、一日一つずつのばし二十三をこえないこと。心臓に無理をさせてはならない。

息を吸って下腹に力を入れ乍らなるべく息の続く間お経などを唱えると、
精神が活発になり集中されます。ヨガはそれぞれの目的に応じた沢山の呼吸法を教えていますが、まず正息止息法を実行すれば充分です。未だかって知らなかった生命の充実感を味わって下さい。それには酸素と共に生命(プラナ)力も吸いこむことです。仏様のいのちを吸いこんでも結構。


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