原始仏教講座 第二講 その十八

第二講 その十八

神意論

お釈迦様は先ずこれを言われたというのは、その当時2500年前はバラモン教だった。今のヒンズー教。神様が天地宇宙を造り人間を造った、こうなっている。そういう信仰でしたから、神様次第である。人間が努力しても神様の気持ち次第では幸せになるとは限らない。だから善因みのりて善果を得る、いいことをすればいい報いが来るということは、常識にはなっていなかったわけです。神様次第であるというのが常識だったわけです。信仰上の常識なんです。それでまず、そういう常識の是正、神様が人間を作った、という創造説ですね、それをお釈迦様は否定なさった。そして、神様が世界を造り人間を造ったという創造説によると全部神様の意思次第と言うことになる、いいことも悪いことも皆神様の御意思次第であるということになりますね。そうすると、人間は神様の御意思を分かろうとし、分からない場合はそれを信じる、あるいは何とかしてご機嫌を取るというように、こちらの適用を考える訳です。そこから色んなゆがみが出てくるわけです。そういうのを神意論といいまして、これは間違った考えである。教えられたわけです。

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