原始仏教講座 第二講 その五

第二講 その五

自分の生活がそういう風に権力者、パトロンによって保証されると、非常に哲学的な高級な話ができますよね、相手が分かっても分からなくてもいいわけです。食い扶持は権力者が賄ってくれる。非常に哲学的な高級な話をしても、信者さんが分からないと言ってもかまわないわけです。信者さんの施しによって成り立っているわけではないのだから、構わない。権力者がちゃんと賄ってくれていますから。

菩提寺というのがありますが、熊本でも細川家の菩提寺、泰勝寺という有名なお寺があります。細川家の先祖を祭るお寺です。したがって檀家、信者さんはあまりない。そういうようなお寺が多い。禅宗のお寺でも大概がその地方の殿様の先祖を祭るお寺になっている。だから信者というのはあまりいない。現在はそういう殿様いなくなったし、お寺についていた田圃も不在地主で敗戦後取上げられたでしょう。だから今お寺は大事で駐車場作ったり、納骨堂作ったり、幼稚園作ったり経営に忙しくなった。そうすると本来の宗教活動、というか本来宗教活動あんまりしていなかった。

だから今もあまり宗教活動していない、それは歴史的伝統なんです。

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