旅公演二万キロ

   『旅公演二万キロ』      
胃ガンで切除 肺ガンで又切除
退院すると直ちに旅公演に出る
俳優宇野重吉のすさまじい生き方
 演劇をじかに見たことの無い
 全国の隅々を回るのだという
 それも二万キロという行程
合間あいまにサンソ吸入をして
一日一回点滴で体力を補充して
身と心を燃やし燃やし夢を築く
 
 [旅公演二万キロ]−舞台や仕事に執念を燃やすという話は多いが、俳優宇野重吉さんは演劇を見た事のない地方に行って見せたいと執念を燃やす。「そこへ行かなきゃダメだ」と言う。その体力から出る言葉でもある。

   『夢を築くために命があると言うべきか』
 執念を燃やすと言う言葉はよく使われるが、俳優宇野重吉さんの場合は肺ガンを手術したばかりの、まさに命を燃やす話だ。三年寝太郎という子供も喜ぶ面白い話にだ。こうなると悲壮さを通り越して、感じ入るより外はない。