おりじなる童話 ボール
ボール
おじいさんが へやで ほんを よんでいたら
「ガチャーン」
まどガラスが われて ボールが とびこんできた。
「また こどもたちだな」
おじいさんは ボールを つかむと まどから かおを だした。
「あれっ」
そとは しーんと しずかだった。
「へんだな いつも こどもたちが すみませんつて はしって くるのに」
おじいさんは かんがえた。
「ボールを とりに こないと いうことは だれも ボールを なげなかったと いうことかな。いやボールを だれも なげないのに ボールが とんでくるわけはないし…」
おじいさんは ああでもない こうでもない。いろいろ かんがえて いるうちに あたまが こんがらがってきた。
「あっ そうだ。ガラスを わったのは この ボールのやつに ちがいない。この ボールめが」
おじいさんは うでを ぐるぐるっと まわすと ボールを そとに なげようとした。
「ぼくじゃないよ」
とつぜん ボールが しゃべった。
「なにつ ばくじゃないって。ガラスを わつたのは おまえじゃないか」
おじいさんは つばを とばしながら ど なった。
「ち ちがうよ。ぼく そらを みあげてたら なげられたんだよ」
ボールは おおきな こえでいった。
「なげられたって？ でも ガラスを わったのは やっぱり おまえだぞ」
「そりゃそうだけど ぼく もう しらないよ」
ボールは だまって しまった。
「なげられたから ぼく しらないよ か」
おじいさんはボールを じっと みつめていた。
「おじいさん そのボール はやく かえしてよ」
ふいに うしろで こえがした。
ふりかえったら こどもが まどから てを だして ふっていた。
「ガラス わらないように もっと むこうで ボールなげ するんだぞ」
おじいさんは ボールを ぐるぐるっと すごい すぴーどで なげる まねをすると そっと したてなげで ふんわりと ボールを こどもに なげた。
「ありがとう」
こどもは うれしそうに にわから とび だしていった。
「ボールのやつ こんど いつくるかな」
おじいさんは ほんを よみながら いつのまにか こっくり こっくり いねむりを はじめた。
おじいさんが へやで ほんを よんでいたら
「ガチャーン」
まどガラスが われて ボールが とびこんできた。
「また こどもたちだな」
おじいさんは ボールを つかむと まどから かおを だした。
「あれっ」
そとは しーんと しずかだった。
「へんだな いつも こどもたちが すみませんつて はしって くるのに」
おじいさんは かんがえた。
「ボールを とりに こないと いうことは だれも ボールを なげなかったと いうことかな。いやボールを だれも なげないのに ボールが とんでくるわけはないし…」
おじいさんは ああでもない こうでもない。いろいろ かんがえて いるうちに あたまが こんがらがってきた。
「あっ そうだ。ガラスを わったのは この ボールのやつに ちがいない。この ボールめが」
おじいさんは うでを ぐるぐるっと まわすと ボールを そとに なげようとした。
「ぼくじゃないよ」
とつぜん ボールが しゃべった。
「なにつ ばくじゃないって。ガラスを わつたのは おまえじゃないか」
おじいさんは つばを とばしながら ど なった。
「ち ちがうよ。ぼく そらを みあげてたら なげられたんだよ」
ボールは おおきな こえでいった。
「なげられたって？ でも ガラスを わったのは やっぱり おまえだぞ」
「そりゃそうだけど ぼく もう しらないよ」
ボールは だまって しまった。
「なげられたから ぼく しらないよ か」
おじいさんはボールを じっと みつめていた。
「おじいさん そのボール はやく かえしてよ」
ふいに うしろで こえがした。
ふりかえったら こどもが まどから てを だして ふっていた。
「ガラス わらないように もっと むこうで ボールなげ するんだぞ」
おじいさんは ボールを ぐるぐるっと すごい すぴーどで なげる まねをすると そっと したてなげで ふんわりと ボールを こどもに なげた。
「ありがとう」
こどもは うれしそうに にわから とび だしていった。
「ボールのやつ こんど いつくるかな」
おじいさんは ほんを よみながら いつのまにか こっくり こっくり いねむりを はじめた。
