史書として今後の日本の生きる道を指し示す貴重な財産

魏志倭人伝」を読み直してみると、文字の用法などにしても精緻で厳密に定義され、旅の行程なども精微で正確で「邪馬台国」の所在にしても明確に記述されており、その他の記述にしても、まだまだ「新鮮で未知なる魅力的な世界」だったのである。 p9

 陳寿の編纂した「魏志倭人伝」については、「邪馬台国」論争だけが主に取り上げられているが、実は古代日本を見事に活写している。その内容は、現代日本にも通じる地勢や日本(人)の問題点の的確な記述であり、史書として今後の日本の生きる道を指し示す貴重な財産であると言えるのである。」(「後書き」より)

甦る三国志魏志倭人伝新「邪馬台国」論争への道 中島信文著 彩流社