小沢一郎の幹事長辞任がすべての始まり
それでも、もしあの時 〈菅首相-仙谷官房長官-枝野幹事長〉のトップ3人が参院選敗北の責任を取って辞めていれば、民主党は立て直しが可能だったはずだ。ところが、戦犯3人は政権中枢に居座りつづけ、反省するどころか、大マスコミと一緒になって小沢一郎をワル者に仕立て、一気に「小沢排除」に動きだした。
「問題は、なぜ仙谷一派が小沢排除で突っ走ったかです。権力を握るために、実力者の小沢一郎を抹殺しようとしたのは確かでしょう。しかし、それ以上に大きいのは、旧勢力と手を握ったことだと思う。小沢一郎は本気で『脱官僚支配』『対等な日米関係』を実現しようとしていた。だから、官僚、検察、アメリカ、大マスコミといった“旧勢力”は、総力を挙げて小沢一郎を潰そうとした。近くで見ていた仙谷一派は、旧勢力とケンカするより、手を握った方が得策だと計算したのでしょう。その証拠に、その後、仙谷由人は『官僚の守護神』と呼ばれ、菅内閣以降、既成権力に切り込む政策は一切、出てこなくなりました」(政治評論家・本澤二郎氏)
結局、仙谷一派のやってきたことは、民主党を瓦解させる「二重スパイ」のようなものだ。
「政権与党の経験者がほとんどいなかった民主党は、政治の裏も表も知り尽くしている小沢一郎に頼るしかなかったのです。民主党を見渡して、政権運営ができる人物は彼しかいなかった。なのに、仙谷一派は、小沢一郎を排除してしまった。その結果、どうなったか。民主党政権を弱体化させ、自民党と官僚を利しただけでず。しかも、政策を官僚に丸投げしたために、民主党の良さをどんどん失っていった。
民主党政権のテイタラクを見て、大マスコミは「政治の劣化が著しい」などとシタリ顔で論じているが、もとはといえば、大新聞テレビが検察とグルになって小沢一郎を攻撃し、追放したからだ。「政治の劣化」なんてシラジラしいというものだ。常識で考えれば、小沢一郎は4月の判決で「無罪」になるだろう。しかし、いまさら無罪になっても、もはや民主党を立て直すのは手遅れだ。
民主党崩壊の裏でなにが起きていたのか、誰が悪いのか、国民は知っておくべきだ。