民主執行部セコイ300万円札束作戦は大失敗

80人以上参加、小沢勉強会に大慌て

きのう(28日)、参院民主党の1回生議員が呼びかけ人になって、小沢一郎元代表が講師を務める勉強会が開かれたが、執行部を青ざめさせたのが、その人数だ。党のPTや会議が重なっていたのに衆参合わせて80人以上の議員が出席し、中には、「中間派」といわれる議員も含まれていた。反野田包囲網が広まりつつある。

 民主党内の増税反対派は、小沢グループだけではない。若手を中心に、特に選挙基盤が弱いI回生議員の中には、「増税民主党では戦えない」と思いつめ、真剣に離党を考えている議員も少なくない。地元に帰るたび、「ウソつき政権」「マニフェスト詐欺」と痛驚され、完全にマイつているのだ。表立って反対を唱えていなくても、実際は衆院1回生の大半が増税に反対だとされる。それで、小沢勉強会に中間派が顔を出すようになった。

 これに焦っているのが、民主党執行部だ。「思った以上に増税反対が増えているようだ。把握しきれていなかった」(党幹部)と大慌てで、28日から衆院の1回生議員を対象に個人面談を開始した。ひとり5分間の面談だが、執行部側は樽床幹事長代行と高木選対委員長が対応している。初日に面談を受けた議員に聞いた。

 「社会保障と税の一体改革について、有権者の理解を得られるよう、しっかり地元で活動してくれと言われました。通常の活動費に加え、3月末に追加支援金として300万円を配るという話もあった。しっかりやった人間には活動費を上乗せするけれど、サボつたらマイナスになるみたいなことも言っていました」

 札束で頬を旧く作戦だ。この面談は3月7日まで続くという。政府は消費増税関連法案を3月中に閣議決定し、国会に提出ずる方針を固めている。

「300万円をエサに、3月中はおとなしくしていろということでしょう。正直、ずいぶん安く見られたものだな、と思いました」(別の1回生議員)

 ところが、この日の勉強会で分かるように、執行部の締めつけは利いていない。当たり前の話で、300万円でダレが動くか。執行部はてんで分かっちゃいないのだ。

 さて、小沢が講師を務める1回生の勉強会は、昨年8月に開かれて以来だ。この間、半年のブランクがあったが、次回は間を置かず、3月13曰に開催予定。野田が増税法案の閣議決定をもくろむ当日だ。

 次の小沢勉強会は、倒閣の決起集会になるかもしれない。

日刊ゲンダイ2012/2/29