ちょっとした美しさ

  『ちょっとした美しさ』      
ちょっとした美しさが心に響く
花の美しさ 生き方の美しさ
毎日毎日がそんなふうでありたい 
 いくらか春めいた風が吹いてゆく
 少女らのスカ−トがひらめいてゆく
 道の片すみでハコベが葉を広げる
小さな美しさが土筆んぼのように
見回せばあっちにもこっちにも
その美しさを感じる心を大切に
               
 [ちょっとした美しさ]−心に余裕を持つという事は、ちょっとした物やもの事に美しさを感じる事かも知れない。季節に敏感なのは日本人の特色と言えよう。この頃はいくらかそれを忘れる傾向がある。少々華美になってきた様だ。  
 『日常人の美感はちょっとした所にある』
 豪華さは時にはあってもいいが、それらに取り囲まれたら人は息苦しくなる。小さな美しさなら、それがいくら沢山あっても心は和やかでおれる。そこに余り人工を加えない日常的な人の在り方があるのではなかろうか。 田辺聖恵