ガッツさ
『ガッツさ』
優しさや繊細さも必要であるが
より善く生きてゆく根幹には
着実な逞しさがずうっと必要だ
花も実もある人生とよく言うが
人知れずドロの中を這いまわる
醜いまでの図太さがあっての事
この世の中は持ちつ持たれつだが
自分のパ−トは確かに引き受ける
そうしたガッツさが大いに必要だ
[ガッツさ]−日本の美術工芸を見るとまさに繊細優美である。この温暖で同一民族という平和さがそうした心情性を育ててきたのであろう。しかしその根底に農業という土着性、しぶとさがあった事を忘れてはなるまい。
『生きる事は本来カッコイイものではない』
現代人が工業化商業化しているのに、ある程度の図太さを失っているのは問題である。何故ならこれらの仕事は広域的であり非心情的であるから人間抹殺になりかねない。ここで改めて生きる事のドロ臭さを持ち直す必要がある。 田辺聖恵