釈尊の聖言 「難事に向かう」

  釈尊の聖言 
 世に二十の難事あり。貧しくして施すことは難く、貴くして道を学ぶことは難く、命を
捨てて道を求むることは難し。
 ブッダの経を見ることは難く、ブッダの世に逢うことは難し。むさぼりを忍び離るることは難く、好ましきものを見て求めざるは難し。権勢を持ちつつ、その権勢を用いざるは難く、はずかしめられて怒らぬことは難く、事にふれて無心なることは難し。
  「難事に向かう」
 貧しいから施しや奉仕が出来ないのは当然である。所が豊かなのに施すことが出来ないのが日本的状況である。それは結局心が貧しいからだ。
 それに施すことの価値や喜びを教えられず、ただ勤勉に働くことが奨励されてきた。支配者は常に自分に都合のよい道徳を説くものである。
 又豊かになって合理的精神とやらで宗教を学ばなくなってから久しい。ブッダの経を見難いというのも曰本に仏教が入って千四百年たつが相変らずである。権勢を持っていて使わないなどは我々庶民にはまるで実感がないが、どこかの処刑された大統領が身をもってその事実を教えてくれた。恥ずかしめられたらアダ討ちせよとこれが今でも人気テーマだからこの国に関係がない。年中不満で腹立たしいがエリートコースらしい。釈尊はなかなかの心理学者だ。