原始仏教講座 第六講(最終講) その三

第六講 その三
 インドのバラモン教でもあれは神様です、だからテレビでも最近やってました、リンガ、ご存知ですかな、男根です。男性のシンボルです。男性のシンボルを石に彫ってある。人間の等身大くらい太いもの、それを祀ってある。それを女の人が一生懸命グルグル拝んでいる。要するに、男根というのは男性のシンボル、もうこれは生殖を意味するわけです。子孫繁栄を意味するわけです。子孫繁栄は幸せというわけです。それは子孫を生み出す力であるわけです。生命力なんですね。ある新興宗教が生命力生命力というのに何か似ている様な感じがしますけれど、生命力があったから、油虫は生命力は旺盛なんです。油虫は二億年前から存在する。人間は三百万年前から人間になったわけです、油虫は二億年前から、生命力という点でいけば、油虫の方がずっと先輩です。人間より偉いとなる。
矢張り力を根底にすると、価値の話が出てこないんです。力イクオール価値にはなりません。仏教でいう価値は智慧なんです。力ではないんです。
 煩悩いかに根強くも、我々は生命力という力に左右されて、それが煩悩という形になる、それが非常に根深いものである。そして苦しみ悩みをもってくると、だけどその生物性動物性を抜き出す、それが断ち切る、煩悩を解脱するということです。