釈尊の聖言 

 釈尊の聖言 「五つの力」

 学ぶべきビクに五つの力あり。信と慚と愧と精進と知恵なり。
 ビクにしてもビク尼にしても、たとえ苦しみ悩み、涙にぬるるも清浄にして、円満なる行を行うなれば、五つの称賛を受くるなり。
 「おんみは善法に対し信仰あり、内に恥ずる心あり、外に恥ずる心あり、精進あり、知恵ありたり。」と。
 「五つの力」
◎信はま心である。教えられる法、真理は間違いのないもの、それを学習すれば、必らず体得し知恵、覚りとなると確信すること。この信がないことには、本当に取組むエネルギーが湧いてこない。信はまさに目的にゆきつく原動力と云うべきだ。
 毎日々々、己の学習業において、宗教者としての生活の仕方について反省を怠らず、その足らざる所があれば、内にも外にも恥ずかしく思わねばならない。出家修行ともなれば手を取り足を取ってくれるような者はいない。かりに居ても甘えは許されない。ただ一人でやらねばならない道なのだから。精進とは努力。
◎知恵とは真理を自己化し、自己が深層において転換することである。真理の体験化、知恵こそ覚り、仏教者の自己目的。その後は他の正導のみ。いかにして他に自己を献身するか。