釈尊の聖言 「嫁の心得」

釈尊の聖言 
 娘達よ嫁入らんとせばかくの如く心得るべし。夫の父母はわれらの利益にならんと、慈しみ給える方なりと感謝をなし、早く起きおそく寝、いつにても用の勤まるべくなし、又やさしき言葉にて慰さむるべし。夫の尊び敬える父母や出家をわれも尊び敬い供養すべし。夫の仕事に理解をもち、それに馴れてたくみになり、勤めはげみて手助けをなすべし。家の仕事をなす人々の性質や力の有無、食物の好みを知りてよき扱いをなし、夫の収入を大切にして徒らに費いやさざるべし。
  「嫁の心得」
◎これは又、何と丁寧な嫁、妻の心得集であろうか。もしこのように尽されたら、夫も一所懸命に働かざるを得ない。又嫁姑の問題も起きようがない。これは一見、封建時代の在り方と同じように見える。だが嫁しては夫に従いーとただ忍従を強いた教えとは大いに違う。夫の仕事への理解へのすすめ、これは現在ですら出来ないのである。
◎家で働く人にどう対応するか、という事はまさに賢明さが要求される所。そこから出てくる手助けとは実質的な協力者を意味する。そこには生き甲斐や誇りもおのずから生じるはずだ。両親のみならず、その宗教と指導者を尊重する事も、単なる形式ではない。家族生活と仕事働きと、宗教とがほどよく行われるとしたら、現在ですら一つのお手本とするに足る生き方ではなかろうか。