原始仏教講座 第四講 その二十二

第四講 その二十二
 そうすると、これを平たく言いますと、現状認識をするわけです。人間が生きているその現状認識、苦しみというのを、人間が存在するという根本的な苦しみを考えようとしない、それをその実は苦しみの存在であるという現状認識をしなさい。
 それがどこから来るか、真理を知らない自分の欲望本位で生きようとする、それが本当の原因である。原因分析をしなさい。
 それからどういうふうになりたいか、その目的を確立しなさい。人間としての自分の目的を確立しなさい。それは欲望的生活から来る、苦労、苦しみ、悩みから抜け出して、もう一つ次元の高い、真理を認識するということによって、自己を完全なる自己にしていく、そういう目的を立てなさい。目的確立
 それに行き着くにはどうしたらいいか、それは実行方式、それには八つあると。八つやれば必ず誰でも到達するというわけです。
 現状認識、原因分析、目的確立、実行方式、これは私が現代語に言い直したわけです。これですべての問題は解決する、だからこれを解決原理と私は名付けているわけです。
 四聖諦、四つの聖なる諦め、四つの明らかなる真理ということです。これは論理的に構成されているわけです。すべての問題に関して、論理的に考える場合の考え方ですね、まず現状認識をしなさい、原因分析をしなさい、これは科学なんですね。ここで宗教的になってくるわけです、しかもそれが体験するということにおいて、宗教になるわけです。科学は必ずしも自己の体験とは限らないわけです、科学的証明にはなるが自己をどうするかという話は無い、そこが科学の限界である。宗教はその科学的論理的追及の仕方を使いながら、しかも自己がどうなるかという、まさに宗教としての、自己実現をするということ、ここが科学と宗教の違いなんですね。