原始仏教講座 第四講 その十一

第四講 その十一

魂、そういうものがあるかというわけです。そうするとすべての物は相互関係にあって影響し影響を受けて変化するんだから、自分の魂といえども変化するはずだということになります。影響受けるんだから自分というもの、自分の一個というものは、例えば簡単に平たく言えば、私が私であるためには、私でないものを取り入れないと私はなりたたない。私が生きていくためは私でない食べ物を食べないといけないでしょう。食べ物は私ではないんです。私でないものを食べて私が成り立つ。そうすると私は私でないものによって成り立っているわけです。だから私は私ではないわけです。私でないものが私の中に入っているわけです。だから私という一つがあるわけではない。私の中に私でないものがたくさん入っている、だから私は一つではない。私は私の主宰者であるかどうかというわけです、私の魂が仮にあるとして、私は死なないぞとこう思っていても、矢張り死ぬわけです。そうすると私の主宰者ではないわけです。私を死なないように私が出来ないなら、私の魂は何をしているのか?あってもなくても変らないじゃないかということになりますね。だから私の主宰者とは言われない。とすれば常であり一であり主宰者であるという魂があるかというとそんな魂はない。だから自分はそういう魂の存在ではないということになります。

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