原始仏教講座 第三講 その八

第三講 その八

正語、これが仏教の特徴でもあります。正語というのは正しく語る、正しく話をするということです。簡単に言いますと、四悪語、正しいことの反対が四つの悪い言葉、四悪語と言われています。妄語、うそ、偽りです。悪口、わるぐち。それから二枚舌。饒舌とも訳されていますが、こっちにはこうこう、あっちの人にはあれはこうだと、違うことを言う。そうするとそれは二枚舌になる。聞いたほうはもめあう、違う話を言えばもめる、離間語、二人の間を離す言葉とも訳されている。なかなか細かい教です。だからうっかり言われない。もの言えば唇さむし秋の暮れとなってしまうわけです。やたらに言わないという日本人が出来上がる。うっかりしたことは言えない、そうすると今度は言わない言わない、感想をどうぞというと「まことに結構です」感想の内に入らない。ものを言わない習慣から、考えもしないという、考えを言えと言われた場合には「はい、結構でございます」これは考えではない。結局考えることが出来ない人間になるという日本的状況を生み出したということになります。そういうことでは話にならない。

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