民主党代表選街頭演説会(大阪・梅田) 小沢一郎 2010年9月5日

 勝手連で何か手助けできないものかと思い、演説会の文字起しをしました。文章としてはまだ見たことがないので、配布するにも有効ではと思っております。

民主党代表選街頭演説会(大阪・梅田) 小沢一郎 2010年9月5日 
大変お暑い中を、そして日曜日の貴重な時間を割いて頂いて、街頭にこの様に大勢の皆様、我々の立会演説会にご参加いただきました、このことをまずもって私からもあらためて御礼申し上げます。まことに有難うございました。
 今、日本は、非常に内も外も大変厳しい難しい時代に、なっております。私もこの代表選挙に立候補するにあたりまして、本当にこの難しい時代を、自分が責任者として乗り切っていけるのかどうか、国の最高責任者としてこの責任を果たせるかどうか、真剣に悩み考えました。しかし、困難な時代であればあるほど、難しい問題であればあるほど、矢張り自分が先頭に立ってこれを乗り越えていかなければならない、そういう決意のもとに、この度、代表選挙に立候補する決断をいたしました。どうか皆様の最後までのご支援ご指導をお願いする次第であります。
 今回の選挙はまさに、今、菅総理からお話の通り、また選管の皆さんからもお話の通り、民主党の明日の代表であると同時に、内閣総理大臣を選ぶ選挙戦であります。まさに皆さんの、国民の皆さんの生活を預かる立場になるわけであります。
 日本は嘗ては世界の先進国の中でも、最も公平で公正で平等な国だと言われてきました。それはトップクラスの位置づけにあったわけでございます。ところが自民党政権下で、特に小泉政権のもと、全く自由競争、無原則な自由競争の中で、本当に日本は不公正な不公平な不平等な、いびつな社会に急速に陥ってしまいまして、今や世界の先進国の中でワースト4にまでなってしまいました。これは今菅さんが言いましたように、六十数年間にわたる自民党を中心とした政権が、本当に国民の生活に目を向けることなく、政策の立案やらその実行やら、それを官僚にすべて丸投げしてきた、自分達は長期の権力を政権を守るために、そのことのみに専念してきたからであります。しかし勿論、これをですね官僚が悪いんだ、官僚が怠けていた、そういうことで片付けるわけにはいきません。
 官僚がそのような状況であることを、許してきたのは、まさに政治家自身なんであります。私達はそういう意味で我々自分達が、政治家自身が、国民の代表として自分の責任で政策を立案し決定して行く、そういう国民主導、政治主導の政治を作ろう、それによって我々は去年の夏、皆さんに約束した施策を実行していくんだ、そいうことを皆さんに呼びかけまして、国民皆さんから政権を委ねられたわけであります。
ですから私達は、この約束を一歩でも着実に前進させ、守っていかなければなりません。それは当然の事だと思いますけども皆さん如何でしょうか。
 例えば何か政策を我々がやるというと、財源はどうするんだ、どこから財源を出してくるんだ、そういう議論がありまして、結局、財源がないから増税だ、こういう話になってしまうわけであります。
それでは皆さんにお約束した我々の約束と全く違う、国民の皆さんに嘘をついたことになる。我々は何んて言ってきたか、政権選挙の時に。行政の無駄を徹底的に省いて、その中から財源を見出して、そして我々の主張を実行するんだ、こう言ってきたはずであります。
私達はそういう意味で本当にこの一年間、勿論容易いことだとは私言いません、しかしこの一年間本当にそういう国民の皆さんとの約束を徹底的に実行出来ただろうか、そのことを考える時に、特にですね、今年予算編成、これは来年度の予算であります。鳩山内閣の場合は自民党が予算の編成の骨格を作ったそれを受け継いだ予算編成でありましたけど、今回は丸々民主党内閣の予算編成であります。その予算編成の現実を見る時に、菅総理もその他の大臣も一生懸命頑張っておられることを私否定するわけではありません。しかしながら先般、今度の予算は一律10%予算の歳出を削減するという閣議決定がなされました。一律ですよ!これでは本当に国民の為の予算を増やすか、減らすか、要らないものを減らすか、ということにはならない。まさに官僚主導の今までの自民党政権下と同じ手法、同じやり方の予算編成が行われようとしております。
はですから、これを変えなくてはいけなんだと、いうことを申し上げているわけであります。どうか皆さん、そういう意味におきまして我々は国の仕組みから、行政の仕組みから変えるんだと、そのことを皆さんにずーっと訴えてきた、所がまだその基本的な仕組みは何も変わっておりません。
予算編成も今言った通りでございます。ですから私はこの官僚支配が中央集権がいけない、地域主権地方自治を確立するということならば、それなりの施策をやらなくちゃならない。
先ず第一に何か、なんで霞ヶ関のお役人さん達が一番えばっているのか、それはお金と権限、権力を全部霞ヶ関で持っているからであります。これを私は直さなくちゃいけない、特に地域主権、地域分権という以上は、お金と権限を地方に渡して、そして地方の皆さん住民皆さんの創意工夫でもってそのお金を有効に使って貰う、そしてその地域において色々な地場産業、そして又、雇用を生み出していく、そういう国のあり方に変えなければ、本当の日本全体の発展も、そして又雇用の確保も出来ない、私はそのように考えております。
皆さんそういう意味において、まだ予算編成は大枠が一律10%削減という大枠を決められてしまいましたけれども、しかしこれはこれからでも直す気になれば直せます。お役所の言う通り、今までと同じ、自民党がやってきたと同じようなやり方でやったら、直せませんけども、我々が本当に腹を据えて自分の責任でやるんだという決意を固めりゃ出来るんです。
私はそういう意味におきまして、本当に皆さんと約束した、国民主導の、すなわち国民に選ばれた政治家が自分の責任でもって政治行政を断行する、この決意を持たなければ、いつまでだって口だけの政治主導、口だけの国民主導に終わってしまいます。
だから役人になめられてしまうんですよ。私はそういう意味によって、俺が最終的には総理大臣がこの政策については全責任を持つ、俺が持つんだからお前たち協力してやってくれ、こういう政治を是非とも実現したい、そのように考えておる次第で御座います。
もう時間が無くなりましたから最後に現在の経済、景気の問題について触れたいと思います。菅総理も、一に雇用、二に雇用、三に雇用、雇用が大事だということをおっしゃっております。私もその通りだと思います。ではどうして雇用を安定させ、雇用を増大させるためには、どうしたらいいのかちゅうのが問題であります。その為には日本経済を、成長、景気を良くしなければなりません。
日本は今までアメリカと中国の成長に、外需に頼って、輸出に頼ってやってきました。しかしながら、今、アメリカの経済も中国の経済もどうもおもわしくない、結果として日本の経済が見通しが全く立たなくなってしまう。それは本当におかしな話でありまして、外需頼みの経済ではなくて、内需で国民の皆さんのお互いの生産と消費でもって、そんな高度成長ではないけれども、安定した成長の出来るような、産業構造に変えて行くということが大事であります。
ですからその為には今申しましたように、いわゆる我々が言っている最大の官僚政治を直す最大の方策でもある自主財源として、色んな補助金、無駄な補助金を含めて地方に全部、補助金をまとめて交付金としてあげる、そういうことによりまして、新しい地場の産業、あるいは福祉産業等の成長産業を含めて地域の活性化を行っていく。
これが私は基本的に日本の経済のあり方だと思っております。しかしこれではまだ時間が掛かります。今すぐそう出来るわけではない。とするならば今の景気を持ち上げるためにはどうしても、財政、国家財政の出動が必要であります。今年度の予算で2兆円の景気対策費を積んでおります。ところが今の菅内閣政府におきましては、その半分の9千2百億円の景気対策費を執行しようという考え方であります。どうして、今この大事な時に、思い切って、どうせ予備費としてきちんと計上しているわけで御座いますので、2兆円そのものを予備費として投入して、それによって景気を底上げしていく、私はそういうような考え方を大胆に取っていくべきだと思っております。
又一つは円高で御座います。円が高くなるということは日本の実力が評価されることですから、長期的には悪いことではありません。しかし今のように急激に円高が進むとなると、本当に大企業はリスクヘッジしていますから大丈夫ですけれども、社員や或いは下請けの中小、零細企業にそのしわよせが来てしまいます。だから私は市場介入を腹にいれてやるべきだと、それから市場介入だけでは足りない、円高のメリットを利用して一番今、海外で、日本で資源のない日本が海外の資源に投資するチャンスなんであります。だからこれは十兆円、二十兆円という単位のお金です。これを積極的に政府が指導して私は投資をするべきだと考えております。
そういうようなことを通じまして本当に、国民の生活第一、国民の生活に目を向けた政策と政治を実行していきたい、私はこのことを去年の総選挙で約束したことを国民の皆さんの生活を守るために私の全ての政治生命を掛けて頑張りたいと思います。どうか皆様の最後までのご支援ご指導を頂きますよう心からお願いいたします。本日はまことに有難う御座いました、有難う御座いました。