三宝法典 第二部 第五三項 在家者の心統一

在家者の心統一

チッタ長者の友、カッサパなる裸形外道、マヨチカー山に来たりたれば、長者はかれを訪い、出家していく年なるやを問えり。
 
「出家して三十年になるなり」
 
「尊者よ、この三十年によりて、超人の法を得、すぐれたる聖智を開き、安らぎの心を得たるや。」
 
「われ裸形と禿頭と論議に巧みとなりたるのみなり。おんみは在家信者となりていく年になるや。」
 
「三十年なり。この三十年に心の統一の第一段より二段、三段、第四段にと自由に入ることを得たり。またわれ、世尊より早くこの世を去るなれば、世尊はわれをこの世にふたたび帰り来る煩悩を滅ぼしつくしたるものと言わるるならん。」
 
「在家にてかくのごとくすぐれたる結果を得るとは、いかにもすぐれたる法ならん。」
 
かくて長者はカッサパを伴いてビクのもとに参り、世尊のみもとに出家なす囚縁を結ばしめたれば、のちにカッサパはアラハンの聖者となりたり。

南伝一五巻四五六頁相応部六処篇第七チッタ相応第九裸形

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