『戦後史の正体1945-2012』 孫崎享著(創元社、2012年8月10日刊、1500円+税)

 [著者は元外務省国際情報局長]「米国は本気になればいつでも日本の政権をつぶすことができます」(孫崎享)本書はすぐれた現代史の教科書です。全国民必読の書だと思います。 
 孫崎享著『戦後史の正体1945-2012』は「米国の圧力」を軸に日本の戦後史を読み解いた力作です。孫崎氏は外務省の中心にいた大幹部でした。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使などを務めました。日本外務省を代表してきた外交官です。その後防衛大学校教授を務められました 
 孫崎氏はこのような輝かしい外交官としてのキャリアをもちながら、米国に絶対的に服従している日本外務省の主流とは異なる考えをもち続けてきた信念の人です。防衛大学校教授を退官されてからは著述家となり、鋭い著作を発表し続けています。今日では多くの読者、支持者を得ています。 
 孫崎氏は現代日本にとって貴重な硬派の論客です。孫崎さんの友人の一人は、私に「孫崎さんは命がけでやっています。孫崎さんのような外務省の中枢にいた外交官経験者が、米国批判をすることは大変なことです。孫崎さんは偉い人です」と語っています。同感です。   森田実