呪文
『呪文』
イヤなら止めろ と思い
ヤルなら喜べるまでヤレ
とこれが私の呪文だった
毎朝々々がそこからの始まり
何ともはや気が小さい話だが
それが私を引っ張ってくれた
喜びの為に生きてゆくという
凡なる生き方学が身について
三十年間の坂道を今越える所
[呪文] 人はそれぞれ自分に言い聞かせる呪文を持つべきだ。その呪文の必要を感じるようになった時、その人は自分の道を見いだしたのかも知れない。自分が好んではまり込んだ道にしたってシンドイ所は通るに違いない。
『その事に十年も打ち込めば自分なりの呪文を持つ』
何かの為にと意気込んだものでも結局は自分の喜びの為だ。そう思える様になると悲壮感や力みや恩着せは無くなる。仕事が一種のお恵みとまで思う様になると、有り難さと面白さがチャンポンになって工夫第一になってくる。 田辺聖恵