共に生かされ

   『共に生かされ』         
我欲はどこまでも小児的であり
果てしなく肥大して自己破壊となり
いつかは他と衝突して共々に傷付く
 真自己を気付く時に熟成的であり
 共に生きかつ共に生かされとなり
 いつかは自他互恵の生き方になる
自分だけでない世界に生かされて
自分がやらねばならぬ世界を生きる
自他を生かし自他に生かされる世界
               
 [共に生かされ]−天地自然理法一切によって生かされているという実感が持てる様になるのは中年になってであろうか。この生かされ意識から自分をどう生かすかとなる。自分を生かしてきた者のみが生かされに気付く事にもなる。
   『自分を生かしてこそ生かされとなる』
 福祉行政は確かに必要だが、大いなる生かされに気付く事は難しくなるかも知れない。真の福祉はこの大いなる生かされなのではなかろうか。人間同士と物だけの世界に埋没していると、生きてゆく意味を見い出しかねて終わる。       田辺聖恵