流行不易

  『流行不易』           
演歌の歌手石川さゆりは言う
流行歌の歌手だから時代の流れを
敏感に感じて歌ってゆきたい と
 時代と共に変わってゆく流行の面と
 変わることのない不易の面とがある
 一つの事においてこの両面がある
自分自身においても自然に変わる面
変えてならぬ面 変えねばならぬ面
こうした多面性で生きると言えよう
              
 [流行不易]−明治時代、西洋画にふれて画き出した油絵と、今日の油絵は格段の相違がある。総てのもの事が近代現代になるにつれて、その変化の度合いを増している。その総ての面に合わせようとすると、無理する事にもなる。
  『流行に敏感である事は傷つき易い事でもある』
 時代変化に合わせる面と、時代に関係なく自己革新してゆく面とがなければならない。そのどちらでも自己の不易の面、本質がしっかりと把握されていなければならない。むしろこの面を自己確認する事の方が難しいと言えよう。 田辺聖恵