変容

  『変容』
前と少しも変わりませんねと
お世辞を言われれば誰でも嬉しい
だがそれはあくまで外見上の事だ
 何百年も経った野仏けには
 一朝一タでは得られない味わいがある
 永遠性と風化の組み合わせだろうか
物を作る 仕事をする 己を作る
日に日に新たとゆかないまでも
キラリとした変容が欲しいものだ

[変容]−違いが分かる男のコーヒー」とコマーシャルにあるが、年々歳々、自分自身が違ってゆく人間でなければ、幼稚停滞という事になる。木ですら樹齢を増すにつれて風格が生じる。人の個性も熟してゆかねばなるまい。
   『変容の中に安定・安定の中に活力』
 自由な発想、粘り強い実現力。これは一種の総合的な人間力と言える。思考と感性、技能と心情このセットが、相当な回転と振動に耐えるようなものに、自己訓練せねばならない。そこに自ずからのキリッとした変容がある。